月例マンション動向(首都圏)
不動産情報サービスのマーキュリーによる、1都3県のマンション供給予想・実績データと分析。
新規販売物件の供給活発・2011年12月の実績
不動産情報サービスのマーキュリーの調べでは、2011年12月の首都圏新築マンション供給戸数は3869戸、前年同月比25%増だった。
地域別供給戸数は、東京23区2167戸(当月シェア56%)、千葉県522戸(13%)、埼玉県460戸(12%)、東京都下393戸(10%)、横浜・川崎298戸(8%)、神奈川県下29戸(1%)。首都圏全体の初月申込率は79.3%と、4カ月連続で70%超。地域別では、神奈川県下100%、千葉県88.3%、埼玉県84.8%、東京23区77.5%、東京都下77.0%、横浜・川崎のみ69.6%と、70%を下回った。
平均坪単価は全体で238.5万円と前月比8.3%上昇。平均グロス価格は4768万円で8.9%上昇、平均面積は66.09平方メートルでほとんど変化なし。前月比で価格・坪単価が上昇したのは、当月が東京23区のシェアが高く、都心7区において高価格帯の供給が多かったためである。
今月の特徴は、先月に続いて、新規物件の供給が多かったことである。通常、新規販売物件と継続販売物件の比率は、60:40~65:35くらいであるのに対し、先月は78:22、当月は81:19と、8割が新規販売物件で占められた。
先月と違う点は、大規模物件において、初回販売で100戸以上供給する物件が多く現れたことである。先月は2物件しかなかったのが、今月は8物件あった。その中でも特に注目したいのが、下記2物件だ。
「ザ・パークハウス津田沼奏の杜」 (総戸数721戸、初回販売279戸)
「プラウドタワー東雲キャナルコート」 (総戸数600戸、初回販売250戸)
2物件ともに売行きは順調で、東雲に至っては即日完売である。
250戸、279戸という大量供給を一気に売り抜けたという事実を見て、「分譲マンションは売れている」、「震災の影響は軽微だった」、「2012年の分譲マンション市場に明るい兆しが見えた」といった、前向きな評価をしたいところだが、その気持ちを抑えて冷静に見てみたい。
実は、2物件ともにプロモーション開始したのは2011年1月初旬である。東雲が4月下旬、津田沼が5月下旬に販売開始予定という告知だった。ところが震災の影響で、建築資材調達の遅れや、防災計画の見直しなどの理由で販売延期を余儀なくされた。その後、両物件ともに9月下旬の販売開始予定と告知していたが、それもまた延長されて、12月に販売となったわけである。
津田沼に関しては、同じく千葉県内の総武線沿線で大規模物件を中心とした供給が盛んで、2012年に入り、新たに船橋で1500戸クラスの物件がプロモーション開始された。東雲に関しては、「湾岸タワー戦争」と言われる状況が続いており、さらに供給が加速することは間違いない。晴海、豊洲、辰巳、有明、月島、勝どきといった湾岸エリアでは、現在販売されている物件だけでなく、現時点で判明している開発案件ラインアップを見ても、今後2~3年かけて1万戸近く供給が見込まれる潜在物件がある。
潜在的な競合物件が多く見られるということは、現在販売中の物件担当者は、できるだけ早く売り切りたいというのが本音であろう。しかし現実には、総戸数の4割程度を売り切るのに1年近くを要しているのである。決して楽観視できる状況にないと言えるだろう。
2012年のマンション市場を考えるとき、世界的な景気後退、中東情勢不安による原油価格上昇懸念、国内ではデフレが解消されない中での増税論議や電気料金値上げなど、決して外部環境が良いと言えない。住宅購入希望者は価格により敏感になると同時に、住宅に求める要素も多様化、高度化している。供給サイドは価格を抑えつつ高度な要求を満たす住宅づくりを今まで以上に真摯に取り組まないと、いつか見た在庫の山を築くことになるだろう。
※集計の数字は2012年1月20日時点のもの
■エリア別状況

(注)都心7区は、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、豊島区を指す。
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[2012/1/23 提供:マーキュリー]
マーキュリー
不動産専門の情報サービス会社。「2万9500物件、190万戸(2010年3月時点)の分譲マンションデータや物件パンフレット」「賃貸物件データ」「平均世帯年収を含む統計データ」「地質データ」などを保有。電子地図を活用して不動産に関する各種情報を提供している。
マーキュリーのホームページ http://www.mcury.jp/
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