月例マンション動向(首都圏)
不動産情報サービスのマーキュリーによる、1都3県のマンション供給予想・実績データと分析。
続・予告広告の長期化・2012年1月の予測
不動産情報サービスのマーキュリーの調べでは、2012年1月に首都圏で新築マンション104物件、9248戸(総戸数ベース)の新規物件の発売が予定されている。前年同月比では物件数で8%減だが、総戸数では14%増である。
エリア別で見ると多い順に、東京23区が4647戸、横浜・川崎が2305戸、埼玉県が1140戸、東京都下が525戸、神奈川県下が510戸、千葉県が121戸である。
下記物件別供給戸数上位20において、1位の横浜プリンスホテル跡地開発プロジェクトは、2010年4月販売開始した「ブリリア有明スカイタワー」以来の1000戸超メガマンションである。今回、横浜・川崎エリアが大きく数字を伸ばしたのは、この物件がラインアップされたからである。
また、上位20のうち、事業主が住友不動産の物件が9件も入っている。しかし、今回初めてランクインしたのは「シティテラス西荻窪」のみで、他の8物件は、以前から予告広告が出されていて、販売開始が延びている物件である。
今回も前回に引き続き、「予告広告の長期化」に着目したい。
冒頭に書いた、2012年1月の新規販売予定物件104物件のうち、今回初めてラインアップされたのは48物件にとどまり、過半数を割れている。残る56物件は、販売開始が延びているのである。
これら「予告広告の長期化」は、エリアによって、あるいは物件規模(総戸数)によって違いがあるのか?当コラムで集計した2011年1月以降のデータをあらためて見つめなおしてみた。(2011年4月の予測は、震災の影響でデータ捕捉が不十分なため未集計)
2011年1月~12月(4月を除く)11回の集計で、販売予告を捕捉した物件数は延べ1376件になる。しかし、複数カウントを除いた純物件数では、772物件にまで減ってしまう。
エリア別、総戸数別の特徴を見出すため、下記クロス集計を作成した。
772物件のうち、1回の予告広告で販売に至った「順延なし」物件、複数カウントした「順延あり」物件は、ともに386物件、ちょうど半数ずつだった。
「順延あり」が「順延なし」を上回っているのは、総戸数別では100戸以上、エリア別では東京23区と千葉県。
総戸数別で見ると、大規模物件ほど販売開始のタイミングが遅れ気味になっている。これはプレセールスで十分な集客、売れる感触を掴むのに時間がかかっていることが伺える。
エリア別では、千葉県で順延が多いのは京葉線沿線の湾岸エリアであり、震災による液状化被害が出たことが主な要因と思われる。
都区部で順延が多かったのは、毎月コンスタントに供給があるため、特に震災直後に販売予定だった物件が、建築資材入手難で「建物完成時期が読めない」ことにより順延した分が、他エリアより多くカウントされたことが主な要因。
しかし、震災の影響が薄れた9月以降の販売予定物件でも、東京23区のみ「順延あり」が減っていないことにも注意したい。これは東京23区でもエリアによって顧客の出足が鈍く、需給バランスが「供給過多」に傾きつつある場所が出てきているサインとも受け取れる。
2011年のマンション市場はおおむね好調だったと言えるが、2012年に関しては、あまり楽観視できる状況にはならないのではと予測する。
※集計は2011年12月22日現在の数字

(注)都心7区は、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、豊島区を指す。
■物件別供給戸数上位20
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[2011/12/26 提供:マーキュリー]
マーキュリー
不動産専門の情報サービス会社。「2万9500物件、190万戸(2010年3月時点)の分譲マンションデータや物件パンフレット」「賃貸物件データ」「平均世帯年収を含む統計データ」「地質データ」などを保有。電子地図を活用して不動産に関する各種情報を提供している。
マーキュリーのホームページ http://www.mcury.jp/
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