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住まいのQ&A

ファイナンシャル・プランナーや一級建築士などの専門家が、住まいに関するさまざまな疑問にお答えします。回答はあくまでも1つの参考意見です。ご自身の責任でご判断下さい。(※現在は質問を受け付けておりません)

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QUESTION

「土地の個人売買について教えてください」

(東京都 自営業 30歳 男性)

 知り合いの所有している土地を購入したいと思っています。その際に、不動産業者などの仲介を入れず、個人同士で土地の売買契約を結ぶことは可能でしょうか? 可能であれば、契約の前にすべきこと、契約時には何が必要なのか、また、注意点などを教えてください。


ANSWER

「もちろん可能です。ただし、契約・購入後に問題が生じないように事前に物件のチェックをし、契約に際しても万全を期す必要があります」

(住宅ジャーナリスト・西村俊一)

 質問内容を整理してみると、不動産広告の文面(概要/取引態様)には、「売主」とか「仲介」(媒介ともいう)あるいは「代理」といった表示を見受けます。


 「売主」というのは、その不動産物件の所有者自らが売り主となる場合です。不動産会社が自社物件を販売するケースとか、個人が所有している不動産を、不動産会社(業者)を介さずに売るケースなどが該当します。質問のケースは後者の場合です。


 一方、「仲介」とは、宅地建物取引業の免許を持つ不動産会社もしくは業者が、不動産所有者である売り主と、その不動産の購入者である買い主との間に立って、売買契約を成立させるものです(貸り主と借し主の間での賃貸借契約における仲介もある)。


 「仲介」においては、仲介の不動産会社もしくは業者に対して、仲介手数料という形の報酬を売り主と買い主の双方が支払わなければいけません。その仲介手数料は、成約価格の3%+6万円(売買にかかわる代金が400万円超の場合の速算式で、これが上限)です。仮に、成約価格が2000万円であれば、仲介会社(業者)は、売り主と買い主の双方から66万円(計132万円)の報酬を得ることになります。


 質問の“不動産業者などの仲介を入れず”ということは、おそらく“仲介手数料を支払う形にしたくない”というのが真意だと思われます。この場合、個人である知人からの譲渡(売買)ということで、取引態様としては「売主」になり、仲介手数料はかかりません。


●個人間での不動産取引のチェックポイントは


〔1〕知人が所有する土地を、自分に売る意思があるかどうかを確認する


 “知り合いの所有している土地を購入したい”ということですが、その知人が自己所有の土地を、仲介を通さずに、個人であるあなたに直接売る意思があることが前提になります。まず、そのことの確認が重要です。


〔2〕購入対象の土地の権利形態などをチェックする


 知人の所有する土地だから間違いのない物件、というわけにはいきません。購入するからには、事前のチェックが必要です。そのためには、購入する土地の登記簿謄本を法務局から入手し、


 (1)登記名義人と所有者が同一か
 (2)相続物件の場合、相続登記がなされたものか(未了のものは売却ができない。複数人が相続した場合には全員の同意が必要)
 (3)抵当権や賃借権等の設定がないか(抵当権については、銀行等からの債務が抹消されていることが前提。賃借権については、その権利関係が解消されていることが前提)


 などをチェックします。また、権利書(登記済証書)の内容確認が事前にできるのかどうかも確認しておくとよいでしょう。


〔3〕売買代金を決める


 不動産会社(業者)が介在する「仲介」するケースと違って、売り主対買い主の直接交渉になりますから、どれくらいの売買価格で折り合えばいいのか、わからないケースも多いでしょう。近傍類地の最近の取引事例の価格などを、不動産会社(業者)や銀行などでチェックしておく必要があります。なお、知人ということで相場よりもかなり安い価格で購入した場合、贈与税の問題が生じるケースがあります。あくまでも正常な取引価格(相場)で売買すべきです。


〔4〕契約する前に「重要事項説明書」の事項内容を確認しておくとよい


 個人間の不動産取引の場合、売り主はいわゆる「業」(宅地建物取引業)としての売り主ではありません。従って、宅地建物取引主任者がかかわる「重要事項説明書」を事前に示す必要はありませんが、それに類する内容の事項を確認し、文書化しておくとよいでしょう。


「重要事項説明書」の内容は、


 (1)登記簿に記載されている事項(登記簿謄本と照合することでチェック可能)
 (2)法令に基づく制限の概要(用途地域および建ぺい率や容積率など。市区町村の役所に設置される都市計画課などでチェック可能)
 (3)私道負担や上下水道・ガス・電気の設備状況(仮に購入する土地に住宅などを建てることを前提にするなら、絶対にチェック)
 (4)取引条件に関する事項(手付け金の内容および支払い方法、所有権移転登記等の費用負担、契約解除の処理など)


〔5〕契約する前に、不動産取引にかかわる機関に相談する


 売り手と買い手が、いわば素人の個人間取引の場合、専門の機関などに事前に相談しておくことが大切です。質問者は東京在住なので、都内の相談窓口を挙げてみますと、公的機関としては、東京都住宅局民間住宅部指導課(電話:03─5320─5071)や東京都不動産取引相談室(電話:03─5320─5015)、民間では、東京都宅地建物取引業協会不動産相談所(電話:03─3264─8000)などがあります。


〔6〕売買代金の授受なども伴うので、できれば金融機関で契約を行うとよい


 契約は、売り主もしくは買い主が取引している金融機関で行うことをお勧めします。その理由は、


 (1)不動産等の契約にかかわる手続きに熟知している金融機関が立ち会うので安心
 (2)契約にかかわる必要書類なども事前に教えてくれる
 (3)多額の代金の授受を伴うので安全


 など。なお、契約書(書式)については、私製の契約書より、市販されている不動産売買用の契約書を使う方が間違いがありません。また、〔4〕に記した「重要事項説明書」に類する文書も、契約書の一部として採用するかを確認しておくとよいでしょう。


●個人間の直取引では仲介手数料は不要だが、事前の調査・チェックといった労力が必要


 不動産取引は、個人が取引するものとしては最も多額なものといえます。それだけに、十分な事前調査とチェックをしたうえで、取引を進めることが大切です。


 特に仲介なしの個人間の取引においては、より労力と時間をかける必要があります。いわば仲介会社が対応する業務の一部を、売り主と買い主がともに分かち合うことによって、間違いのない契約および取引として成立させることになります。


 また、知人同士の個人間の取引ということで、安易に契約・取引するケースがあるようですが、抜き差しならぬトラブルへとつながる事例も多いと聞きます。より厳密にチェックし、あいまいさを残さずに契約することが大切です。


[ 2003/1/31 掲載]

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