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住宅最前線 こだわリポート

業界紙出身のベテラン記者・牧田司氏による分譲戸建てやハウスメーカーの新製品情報。愛情あふれた辛口コメントに注目です。本コーナーの記事内容に対するお問い合わせは「RBAタイムズWeb版」までお願いします。

東武野田線の踏切・線路際の難点克服 「ナナスクエア大宮・七里」

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「ナナスクエア大宮・七里」

 ポラスグループのポラスマイホームプラザが分譲中の戸建て 「ナナスクエア大宮・七里」〔資料請求する〕 を見学した。東武野田線七里駅から徒歩11分の全25棟で、第1期の分譲開始からこれまで第2期を含め14戸のうち12戸を3週間で成約。極めて好調な売れ行きを見せている。信号・線路際の難点を解消する工夫を凝らし、プランも徹底した差別化を図っているのが好調の要因だ。


 物件は、東武アーバンパークライン七里駅から徒歩11分、さいたま市見沼区大字蓮沼字山崎に位置する全25戸。土地面積は100.07~122.55平方メートル、建物面積は90.67~106.40平方メートル、価格は2,880万~4,180万円(中心価格帯3,000万円台・3,400万円台)。構造は木造在来工法2階建て。


 2月11日から第1期5戸を分譲開始し、第2期9戸を含め現在12戸が成約済み。近く第3期を販売する。


 現地は、道路を挟んで野田線の線路に隣接。近くには踏切があって信号音もかなりする。


 いわゆるパワービルダーの戸建ては2,000万円台の前半から分譲されているエリアで、それより数百万円は高いにもかかわらず、振動・騒音対策を施し、3つのプランを提案するなどハード・ソフト両面で需要を喚起したのが人気の要因。成約者はこの地域に縁のある人。


 同社は線路と反対側の土地でも20棟の戸建てを今春に分譲開始する予定で、全体で45戸の計画。


「WIB工法」(後方は線路)

◇     ◆     ◇


 いつものように道すがら値段を予想した。いまは東武アーバンパークラインという愛称がついているが、東武野田線は昭和50年代から60年代にかけて建売住宅の“メッカ”だった。単線(現在はかなりの区間で複線化されている)だったにもかかわらず豊春、南桜井、川間、梅郷、江戸川台、初石、豊四季あたりで大量の住宅が供給された。価格は3,000万~6,000万円台だったが、それでもよく売れた。年間にして数百戸から1,000戸が売れたはずだ。


 ところがバブル崩壊後、極端に供給が減った(ポラスの「七光台」は例外)。七里は供給が少なく、駅周辺の商業施設なども30年前、40年前から時間が止まったような古い建物が多く、街のたたずまいも田舎然としている。


 そんなこんなを考えながら、道に迷い右往左往したので現地まで徒歩11分が20分くらいかかった。自分が悪いのだが腹も立ち、これじゃ売れない、まさかポラスは“298”つまり“価格ありき”の市場に参入するのではないかと思った。もしそうだったら、見なかったことにして記事にするのはよそうとさえ考えた。


 ところが、現地で企画設計を担当した同社設計課企画設計係長・高橋健太郎氏の説明を聞き、3棟のモデルハウスを見て考えを改めた。この価格でよくぞやったと感動すら覚えた。ユーザーを納得させるだけの性能、プラン、設備仕様だったからだ。並みの住宅でこの価格だったらまず売れない。


 高橋氏は「今は単に4LDKのプランだけでは売れない。ここでしか得られないプラスアルファを盛り込まないと」と語ったように、プランは「CAFE」「BOOKS」「ZA+DOMA」の3つ。それぞれ明確なコンセプトを示している。同社グループの他の物件もそうだが、それぞれ住空間をうまくデザインしている。


 基本性能としては、線路に面した住戸に対し振動・騒音対策を採用しているのが大きな特長で、ハンディを解消している。


 振動に対しては、「WIB工法」を採用することで、振動環境を不快な振動を感じない60db未満レベルまで低減した。実際に工事を施している住戸で体感したが、電車が通ってもまったく振動は感じられなかった。


 騒音に対しては、一部住戸を二重窓にしている。こちらも体験したが音は全く聞こえなかった。


 優れたプランとしては、1階の天井高約2.7mはポラスグループの標準だが、食洗機がついており、床は銘木突板仕上げ、リビング床暖房、暖房付き洗面室、自動換気機能付き玄関ドアなどを採用。3,000万円台の戸建てではまずこの仕様はありえない。


小上り和室がある「BOOKS」プラン

「ZA+DOMA」プラン

◇     ◆     ◇


 一つだけ注文。これは先月見学した同社グループの「朝霞」もそうだったし、他社のモデルハウス、モデルルームもそうなのだが、過剰装飾について。「CAFE」プラン(他のプランは抑制気味)はあらゆるテーブル、壁、棚が食器や造花などで埋められていた。保育園の運動会でもこれほど派手にはしない。


 これでは、限られた予算の中で住空間を工夫し、突板を採用するなど本物志向のニーズに応えようとするせっかくのプランが台無しだ。せめて造花は観葉植物にしてはどうか。壁面には水やりがいらないサントリーミドリエを設置したらどうか。あれやこれや飾り立てることしかしないコーディネーターの仕事が理解できない。過ぎたるはなお及ばざるがごとし。


「CAFE」プラン(上の「BOOKS」「ZA+DOMA」プランと比べていただきたい)

◇     ◆     ◇


 ついでに東武線のイメージ、ポテンシャルの向上について。記者は東武線が嫌いではない。むしろ好きだ。まだまだ庶民が買える住宅が供給されている。


 ところが一向に沿線のイメージがアップしない。これにはいろいろ理由があるのだろうが、不動産業者にも問題がないとは言えない。「2,500万円~」「2,900万円台」「3,300万円~」など都心部ではワンルームでも買えないような戸建てやマンションの車内づり広告が野田線では幅を利かせている。安売りのスーパーでもないはずだ。こんなことをやっていたらますます街のポテンシャルを引き下げる。


 わかりやすい例では駅舎が汚い。記者は最近、マンション管理員の清掃業務を取材したことがあるのだが、勤務時間中ひたすらにきれいにしている。「清掃は科学」とまで講師の方は話した。その徹底ぶりに畏敬の念すら覚えた。


 また、最近の国交省のトイレに関するアンケート調査で、女性は駅や公園でトイレを利用しないことが報告されていた。


 女性に好まれないとマンションも街のポテンシャルが上がらないということだ。そこで、東武伊勢崎線と都心の駅のホームを紹介する。みなさんもなるほどと思うはずだ。


この物件の間取り図を見る/資料請求する(無料)


東武伊勢崎線の車両(クレヨンしんちゃんのイメージは悪くないと思うが)

「梅島」駅で(黒い斑点はガムのあとか)

日比谷線の都心の駅ホーム


[2017/3/3 提供:RBAタイムズWeb版]

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RBAタイムズ 牧田司

第三企画(東京・新宿)が発行する住宅・不動産業界情報紙「RBAタイムズ」編集長。記事の大半を自身で取材・執筆している。月1~2回の紙面発行に加え、「RBAタイムズWeb版」で随時ニュースを配信中。紙面は住宅・不動産業界の親睦と発展を目的に業界関係者に無料配布しているが、広告を一切掲載せず、(第三企画も含めた)特定企業の利害にとらわれない編集方針をとっている。


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