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住友林業 木造耐火構造の4階建て、吾妻橋にモデルハウス

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「街角一番展示場」モデルハウス

 住友林業は8月8日、木造、墨田区・吾妻橋エリアで木造BF-耐火構造の4 階建て「街角一番展示場」モデルハウス見学会を行った。同エリアは東京都と墨田区が推進する「木密地域不燃化10年プロジェクト」の整備対象エリアに該当しており、展示場は狭小敷地でも木造の防耐火構造の4階建てが可能であることをアピールしていく。


 モデルハウスは建蔽率80%、容積率200%の防火・近隣商業地域に立地。建築面積は32.29平方メートル、延べ床面積117.31平方メートル。建築費は80万円/坪から。


 同社オリジナルの「きづれパネル」を用いることでモルタル施工の合理化・コストを削減し、室内床材も同社オリジナルの「ひき板」を使用することで、木のぬくもりを提案している。


 また、断熱・遮音性能の高い「ダブルLow-Eトリプルガラス」または「ダブルLow-E真空トリプルガラス」のサッシを採用している。


モデルハウス

◇     ◆     ◇


 同社に限ったことではないが、木造建築物の取材でいつも大きな壁にぶち当たるのが防火・耐火基準だ。住林と言えば森林・林業・木の会社だ。素晴らしい木造の住宅が見られるのではないかと期待していたのだが、やはりだめだった。


 建築基準法では防火地域にあっては階数が3以上で、または延べ面積が100平方メートルを超える建築物は耐火建築物としなければならないとあり、柱、壁、床、梁(はり)、屋根、階段などが一定時間内(30分から2時間)に変形、溶融、破壊されないことが求められている。


 このため、ほとんどの大規模木造建築物の外観は、主要構造材の壁、柱などは石こうボードやモルタル、サイディングによって覆われている。見た目には木造であることはほとんどわからない。今回のモデルハウスも同じだ。


 現行の規制は地球環境、低炭素社会実現の視点が欠落している。性質が異なる木を鉄やコンクリと同じ土俵の上で競わせる法律が理解できない。「防火・耐火基準」は、わが国の伝統的な木の文化を否定するものといえば言い過ぎか。


 防火地域の規制についてはもうひとつ言いたい。防火地域の耐火建築物は建蔽率の緩和を受けられるが、それより公開空地を確保し、緑被率を高めた建築物は容積率を緩和するほうが望ましい。


 同社オリジナルの「ひき板」はなかなかいい。木材を薄くスライスして合板に張り付けた突板ではなく、鋸(のこ)刃で切り出した厚みのある板であるため、無垢(むく)材のような質感がある。欲を言えば、ドアや建具にもこれを採用してほしかった。


手前から外壁の鉄網+軽量モルタル、防水シート、きづれパネル、石膏ボード

[2016/8/8 提供:RBAタイムズWeb版]

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RBAタイムズ 牧田司

第三企画(東京・新宿)が発行する住宅・不動産業界情報紙「RBAタイムズ」編集長。記事の大半を自身で取材・執筆している。月1~2回の紙面発行に加え、「RBAタイムズWeb版」で随時ニュースを配信中。紙面は住宅・不動産業界の親睦と発展を目的に業界関係者に無料配布しているが、広告を一切掲載せず、(第三企画も含めた)特定企業の利害にとらわれない編集方針をとっている。


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