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業界紙出身のベテラン記者・牧田司氏による分譲戸建てやハウスメーカーの新製品情報。愛情あふれた辛口コメントに注目です。本コーナーの記事内容に対するお問い合わせは「RBAタイムズWeb版」までお願いします。

“ホーホケキョ”ウグイスも歓迎 つくば・春風台の販売進む

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「緑住農一体型住宅地 春風台」

 茨城県つくば市の「緑住農一体型住宅地 春風台」(109区画)を見学した。昨年5月に取材したときは約60区画が販売済みだったが、今回は88区画まで進んでいた。事業は着実に進捗しており、隣接地ではほぼ同規模の造成も進められている。


 「春風台」については昨年紹介した記事も参照していただきたい。一言でいえば、定借により初期投資を抑え、区画整理事業法、固定資産税法、都市緑地保全法など縦割り行政の隘路(あいろ)を巧みな手法で切り抜けたわが国に例のない街づくりだ。


 物件はTXつくば駅から北東約2~4キロの開発面積189.9ha、計画人口8,000人の「中根・金田台特定土地区画整理事業」(施行期間平成16年~31年)地内の一角にあり、期間50~70年の長期定期借地権付き宅地分譲。1区画当たり平均200坪(660㎡)と広いのが特徴で、このうち100坪が宅地となり、60坪の景観緑地と40坪の果樹・菜園から構成されている。地代は月額5~6万円。契約期間満了時に返却される保証金は250万円。


 景観緑地には市の地上権を設定することで、その部分の地代は事実上非課税となる。緑地の整備・管理は地権者が行い、自治体は財政負担なしで市街地の緑地を確保できるのも大きな特徴の一つだ。


 地権者の一人で、街づくりの推進役を務めている「桜中部地区まちづくり協議会」会長・酒井泉氏(67)は、「隣接地でも同じ手法の同じ規模の開発を進めており、一部は今年から来年にかけて造成が完了する。新しい区画では、わが国の伝統工法である真壁を用いた現しの住宅や、ハウスメーカーとコラボした提案も行い、世に問いたい」と話している。


景観緑地に植えられている樹木(ナラか)

群生するマツバウンラン

◇     ◆     ◇


 風景は昨年訪れた時とほとんど変わらなかったが、葉の形が松葉、花がウンランに似ていることから「マツバウンラン」と名付けられた帰化植物が咲き誇り、“ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ”とウグイスが記者を歓迎してくれた。


 見学会に顔を見せていた販売を担当する日本不動産(台東区浅草)の山下欽司社長によると、ここにはキジ、ヒヨドリ、セキレイ、ヒバリ、シジュウカラ、ホオジロ、オオタカが生息するそうだ。


 畑仕事に精を出していた居住者のAさん(69)に声を掛けた。「江戸っ子で農業には縁がなかったが、研究の仕事でつくばに10年間いたこともあり、2年前に引っ越してきた。旬のものが食べられ、季節の移り変わりが肌で感じられるのがなによりいい」と話した。


 畑にはネギ、ソラマメ、ジャガイモ、ホウレンソウ、トマト、ナス、キュウリ、アスパラ、カボチャなど20種くらいを育てるのだという。「完全無農薬。アブラムシは手でひねりつぶしている。やっとミミズが出てくる土壌になってきた」と真黒な顔をほころばせた。


 Aさんとは環境や食品ロス、バーチャルウォーターなどの問題についてしばし語り合った。


 ただ一つ心配なのは、奥さんが畑仕事には一切かかわらないということだった…だとすると、奥さんはただ食べる人なのか。ご主人の苦労に何の痛痒も感じないのか…個人的には奥さんの気持ちは分かりすぎるほどわかる。田舎育ちの記者も手間ばかりかかる畑仕事などまっぴらごめんだ。


Aさん宅の畑

◇     ◆     ◇


 酒井氏は「分譲は4年前からで、希少性からいってもっと売れていい」と、販売スピードに不満のようだが、つくば駅から車で15分もかかる立地条件を考慮すれば、この1年間で28区画も売れたというのは驚異的な数字だと思う。販促のためハウスメーカーとコラボするというのも賛成だ。


 協議会は5月21日(土)と6月25日(土)、それぞれ13:00~16:00まで現地見学会を開催する。詳細は協議会のホームページ(http://harukazedai.com/)へ。


[関連記事] 平成の田園調布になるか、1区画200坪の街づくり つくば市の「春風台」 (2015/5/26)


[2016/5/9 提供:RBAタイムズWeb版]

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RBAタイムズ 牧田司

第三企画(東京・新宿)が発行する住宅・不動産業界情報紙「RBAタイムズ」編集長。記事の大半を自身で取材・執筆している。月1~2回の紙面発行に加え、「RBAタイムズWeb版」で随時ニュースを配信中。紙面は住宅・不動産業界の親睦と発展を目的に業界関係者に無料配布しているが、広告を一切掲載せず、(第三企画も含めた)特定企業の利害にとらわれない編集方針をとっている。


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