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業界紙出身のベテラン記者・牧田司氏による新築マンションのモデルルーム訪問記。愛情あふれた辛口コメントに注目です。本コーナーの記事内容に対するお問い合わせは「RBAタイムズWeb版」までお願いします。

「高尾」の再現なるか、湘南の流れ呼ぶか 「プレミスト湘南辻堂(仮称)」

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「(仮称)プレミスト湘南辻堂」完成予想図

 大和ハウス工業は1月25日、IoT技術とAI(人工頭脳)を活用したスマートウェルネスをテーマにした湘南エリア最大級の大規模マンション「プレミスト湘南辻堂(仮称)」」(914戸)を着工し、今夏にモデルルームをオープンすると発表した。これまでにない商品企画で挑むことで、同社は「湘南に流れを作り、『高尾』の再現を目指す。3年間で売り切る」と自信を見せた。


 物件は、JR東海道本線辻堂駅から徒歩9分、藤沢市羽鳥1丁目に位置するA敷地の14階建て404戸と、B敷地の13階建て510戸の全914戸。先行して着工するA敷地の専有面積は68.91~93.18平方メートル、価格は未定だが、最多価格帯は5,000万円台。坪単価は220万円台に収まる模様。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2018年12月。売り主は同社と長谷工コーポ。管理は長谷工コミュニティ。


 現地は、A敷地とB敷地を合わせ約3.5haのNTT社宅跡地。再開発によって街並みが一変した「湘南C-X(シークロス)」内の「テラスモール湘南」へ徒歩6分。


 詳細なプランは未定だが、「湘南の自然と文化に包まれて、大人が自由に、豊かに、健康に暮らせる街づくり」をコンセプトに敷地南側を「湘南の海ゾーン」、敷地北側を「湘南の森ゾーン」とし、「湘南の海ソーン」には「フィットネスジム」のほか、「カフェラウンジ」「ライブラリー」「アトリエ」を設置する。「湘南の森ゾーン」には「アリーナ」や「BBQテラス」を配置、「茶室」、「山小屋」、「隠れ家」をモチーフとしたゲストルームを3戸用意する。


 大きな特徴であるスマートウェルネスでは、ウェアラブルデバイス(衣服状リストバンド型で、身に着けて持ち歩くことができる)などを用いたIoT技術やAIと、同社グループのスポーツクラブNASが監修する運動メニュー提案などのソフトサービスを融合したヘルスプロモーションサービスを採用。同社グループが昨年8月オープンした「スポーツクラブNAS藤沢店」とも連携する。


 このほか、余暇活動やコミュニティ形成などの支援サービスとして、入居者専用の会員組織を設立し、辻堂駅とマンション間でシャトルバスを運行する予定。


 記者発表会に臨んだ同社東京本店マンション事業部事業部長・松岡康成氏や同事業第四課係長・二改隆広氏らは「『プレミスト高尾』のように後背地の戸建て居住者の買い替え、買い増しが期待できるし、そのためにシャトルバスの運行も決めた。湘南に流れを引き込み、『高尾』のような連続即日完売を狙い、3年間で売り切りたい」と語った。


スマートウェルネス概念図

アリーナ

◇     ◆     ◇


 最初に戸数を聞いたとき、正気の沙汰ではないと思った。いま関電不動産開発が分譲している全352戸の 「シエリア湘南辻堂」〔資料請求する〕 は半年で約200戸を成約するなど極めて好調な売れ行きを見せてはいるが、その3倍近い。


 しかし、ニュースリリースを読み、松岡氏らの話を聞くうちに“ひょっとしたらいけるかもしれない”と思うように変わった。それだけインパクトの大きいマンションになりそうだ。


 その条件がそろった。立地条件が申し分ないことはいうまでもない。ここ数年、辻堂駅圏で分譲されたマンションも戸建ても極めてよく売れた。「テラスモール湘南」の効果は計り知れない。


 ヘルスプロモーションサービスも大きな関心を呼ぶはずだ。詳細は未定だが、同社のロボット事業「ヒューマン・ケア事業」は業界でも最先端をいく。このマンションと連動するかどうかは分からないが、その知見は生かされるはずだ。


 もう一つ、辻堂は、全416戸をわずか16カ月で完売した「プレミスト高尾サクラシティ」とよく似た特性を持つことだ。「高尾」の購入者の約4割がシニア層だったが、これは後背地の戸建て居住者の買い替え・買い増し需要を取り込んだためだ。「辻堂」も同じことがいえる。戸建て居住者の属性は「高尾」とほぼ同じと見た。収入・資産などに恵まれた人たちだろう。シャトルバスの運行も大正解。


 価格が心配だったが、松岡氏は「関電さんと同じくらい」と話した。つまり坪単価は220万円台、高くても230万円台に抑制するようだ。これほどの商品企画なら子育て層の需要ももちろん期待できる。


 記者団からは「郊外マンションが不振」などの質問が飛んだが、確かにこの1年間のマンション市場は変調をきたし、先行き不安もぬぐい切れない。


 しかし、記者はしっかり造り込みをすれば郊外だって売れると見ている。販売力・ブランド力のあるデベロッパーはみんな腰が引けており、郊外を回避しているが、同社がその悪い流れを断ち切り、本来の流れに引き戻す可能性はあると見た。


 ただ、いくら何でも3年間で完売までもっていくのは難しいような気がする。もし3年間で完売したら逆立ちはできないし頭もそらないが、同社こそがマンションの雄と称賛したい。一つ提案だ。温泉はどうだろうか。売り上げ4兆円を目指す企業だ。それくらいの負担はなんてことないはずだ。「辻堂ダイワロイヤル温泉」とでもすれば大ヒット間違いなしだ。


アトリエ

ゲストルーム(茶室)

[関連記事] 「シエリア湘南辻堂」 第1~3期1次199戸が登録完売 (2016/11/8)
[関連記事] 「プレミスト高尾サクラシティ」全416戸 16カ月で完売 (2016/11/1)


[2017/1/25  提供:RBAタイムズWeb版]

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RBAタイムズ 牧田司

第三企画(東京・新宿)が発行する住宅・不動産業界情報紙「RBAタイムズ」編集長。記事の大半を自身で取材・執筆している。月1~2回の紙面発行に加え、「RBAタイムズWeb版」で随時ニュースを配信中。紙面は住宅・不動産業界の親睦と発展を目的に業界関係者に無料配布しているが、広告を一切掲載せず、(第三企画も含めた)特定企業の利害にとらわれない編集方針をとっている。


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