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快適2世帯同居を注目のエコリフォームで実現

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息子世帯との同居を機に全面改修


リフォーム概要
住居形態:戸建て
家族構成:夫婦+子供夫婦+お孫さん
設計・施工:東急ホームズ
リフォーム費用:約2250万円
総工事面積:約87平方メートル
 築35年の一戸建てに暮らす神奈川県のTさんは、息子さん家族と住む2世帯住宅にするため、間取りの大規模な変更を検討していたが、ひとつ大きな不安があった。「リフォームというと、水回りとか屋根とか、部分的に改修することだと思っていたんです。まして、築30年以上もたった家を全面改修するなんて無理。一度壊して新しく建て直すしか方法がないと思っていました」(Tさん)。


 だが、新築を建てる際には法的制限があることを知り、建て替えを断念。ほかに選択肢がないから、という消極的な理由ではあったが、定価制の全面改修を手がける東急ホームズにリフォームを依頼した。工期の90日間、Tさんご夫婦は仮住まい、息子さんご夫婦はもともと住んでいた賃貸マンションにそれぞれ住みながら、完成を待つことに。


外壁をサイディング張りとしたことで、シャープな印象となったT邸外観。すべての窓はペアガラスサッシに変更した
 まずは、古い建物を一度スケルトン状態にし、耐震補強、防蟻(ぼうぎ)・防湿性を高めるための処理、配管・配線の改修を実施。リフォーム前は耐震評定0.31しかなかったが、耐震補強後は1.07(建築基準法が求める震度6強の地震でも一応倒壊しないレベル)となった。また、床や外壁、天井部分に断熱処理を施し、すべての窓をペアガラスサッシに替えることで、高い断熱性を確保することができた。


 問題は間取り。部屋数は多いが使いにくく、1、2階合わせて約87平方メートルの床面積から、本当に2世帯が心地よく暮らせる空間ができるのか、Tさんは不安だったという。そこで、玄関から廊下に沿って浴室、洗面所を配し、2世帯で共有。キッチンとリビングは世帯別にそれぞれの階に振り分けて、つかず離れずの距離で同居しながらも、各世帯のプライバシーが守れるよう工夫した。


 Tさんご夫妻の居住空間となる1階は、柱を減らして、水回りなどの間取りを大幅に変更。隣家と接しているため昼間でも暗く、すき間風が入って居心地が悪かった和室は、天井にトップライトを設けて、明るく快適なキッチンとひと続きのリビングダイニングとなった。朝トップライトから差し込む自然光が気持ちよく、昼間は照明なしで新聞も読めると、Tさんも満足している。


1階キッチン。IHクッキングヒーターの使い心地に、Tさんの奥様も満足している2階のダイニングキッチン。吹き抜けの天井は、梁(はり)を露出させて開放的な空間になった

和室を改装し、キッチンとひと続きとした1階リビングダイニング。トップライトのおかげで、昼間は照明を使わない日もある
 2階は、息子さんと奥様、小さなお子さん3人の世帯。リフォームにあたって、息子さんが最も心配していたのは、収納だったという。3部屋あった間取りを2LDKに変更する上で、廊下部分を減らしてより広い居住空間を確保するとともに、収納を増やすため、屋根の形を変えて屋根裏に大きな収納スペースを設けることにした。


2階子ども室から続くロフト。その隣には小屋裏収納を設けた
 「床面積が限られているので、収納を確保するには上に延ばすしかない、と屋根の架け替えをご提案しました。屋根勾配を建築基準法上のギリギリまで上げ、DK側の天井は吹き抜けとして開放感を出しました」と、東急ホームズ営業コンシェルジュの瀧本信之さん。天井の残りのスペースは小屋裏収納と、子ども室側から行けるロフトスペースの2室に分け、空間を有効に活用している。また、子ども室は将来2室に分けられるよう、窓を2個所に設けてある。


 さらに、T邸はもともとプロパンガスだったため、リフォームを機にオール電化として、IHクッキングヒーターとエコキュート(ヒートポンプ式電気給湯器)の設備を導入。全開口部に断熱処理を施しただけでも、かなりの光熱費削減効果があるはずだが、オール電化にリフォームしたことで、さらなる省エネも実現した。小さな子供がいるから、火を使わないIHクッキングヒーターは安心と、息子さんの奥様も納得している。


エコリフォームの減税・補助金制度


 家庭部門からの二酸化炭素排出量が増加し続ける中、環境省を中心に、住宅の省エネ対策リフォームに対して、様々な優遇措置が打ち出されている。例えば、断熱処理を施すなどしてエネルギー消費を削減できた省エネリフォームに対して、ローン減税のほか、自己資金のみによる省エネリフォームの場合にも今年の4月から減税措置が受けられることになった。


 また、省エネ機器である太陽光発電やエコキュート、エコジョーズ(ガス高効率給湯器)、エコウィル(ガス発電・給湯システム)、エネファーム(家庭用燃料電池)などに対して、国や自治体が補助金を支給する制度も整い始めている。太陽光発電でいえば、今年4月から来年1月29日まで、太陽電池モジュールの公称最大出力1kWあたり7万円の補助金が支給される。


 いくらランニングコストが抑えられても、初期設備費用が高すぎて回収しきれないことが問題となっていた各種省エネ機器だが、補助金制度によって初期投資費が抑制され、設置へのハードルが低くなった。太陽光発電に関していえば、今年11月からは、太陽電池によってつくられた余剰電力を、1kWあたり48円で電力会社に売ることができる買い取り制度が設けられ、さらにメリットが増している。


 こうした流れを受けて、リフォーム施工会社も今年から続々と本格的な省エネ・エコリフォーム商品の開発に乗り出した。先の東急ホームズも、既存の全改装定価制リフォームに太陽光発電とオール電化設備、外壁への遮熱塗装などをプラスした「暮らしアップGREEN ENERGY」という商品を企画し、すでに販売を開始している。東急ホームズの試算では、ライフスタイルにもよるが、約7年で初期の設備投資費を回収し、それ以降は光熱費0円以下の暮らしが可能だという。


 Tさんは、2世帯同居というライフスタイルの変化によって、リフォームの必要性が生じただけで、最初からエコリフォームを念頭に置いていたわけではない。だが、一度スケルトン状態にする全面改装であれば、断熱材の全面充てんも可能だし、省エネ機器の設置やサッシの取り替えなども簡単にできる。断熱材もオール電化も、施工会社に勧められての採用だったが、もうすきま風に悩まされることもなくなり、副産物的な思わぬ快適さにみなさん大満足だという。


 窓や天井など一部だけではなく、開口部全面を断熱仕様にすると、年間約40パーセント以上もの光熱費削減につながるという試算もある。さらに、政府の強力なバックアップ制度によって、初期投資の負担が軽減されたオール電化などの省エネ機器、そして自らエネルギーをつくり出す太陽光発電。環境に対する意識が高まっている時代の流れのなかで、エコリフォームはこれからのリフォームの主役となっていくに違いない。


(ライター 殿木真美子)


[2009/9/8]

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