日本経済新聞 関連サイト

住宅サーチ for Premium Life

住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • この記事をmixiチェックに追加
  • この記事をtwitterでつぶやく

QUESTION

隣で工事中の業者が我が家を傷つけた

(大阪府 50歳代 自営業 女性)

 一戸建ての我が家の隣に、10階建てのマンションが建つことになりました。現在、掘削工事を進めている段階です。


 私の家も含めて、まわりの建物ギリギリのところまで掘削を進めていますが、山留め工事を全くしていません。解体時も、テントを張ることも誘導道路を造ることもなく、私の建物にも大きな穴をあけたにもかかわらず、何の連絡もありませんでした。私自身がたまたま見つけたので、直してもらいましたが、とにかく極力予算を削りたいようです。


 そこでお聞きしたいのですが、近隣への地盤の崩れを防ぐ対策をとらないのは建築基準法などに違反しないのでしょうか? 現在は2メートルくらいは掘り進んでおり、大雨も降りましたので池のようになっています。


ANSWER

原則、山留め設置義務があります

(住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子)

 隣にマンションが建つということで、相談に来られる方は多くいらっしゃいます。


 まず、山留め工事ですが、建築基準法施行令136条の3第4項には、「建築工事等において深さ1.5メートル以上の根切り工事を行う場合においては、地盤が崩壊するおそれがないとき、及び周辺の状況により危害防止上支障がないときをのぞき、山留めを設けなければならない」とあります。


 今回のケースでは具体的な状況がわからないので、「地盤が崩壊するおそれがないとき、及び周辺の状況により危害防止上支障がないとき」にあたるかどうかは定かではありません。隣地との離れが充分にあり、安息角(土砂などが崩れない程度の角度)を充足している場合などは、検討要素の一つとなるのかもしれません。


 いずれにせよ、まずは自治体の建築指導課に行って、上記の法令違反でないか相談されることをお勧めします。


 今回は、山留め工事を問題とされていらっしゃいますが、日照や圧迫感なども気にされるのであれば、建築指導課で建築計画概要書を入手し、住民説明会で配布された図面も持参して、建築士に相談されるのも一つです。


 また、隣地の工事により家の壁にクラックが入ったと言っても、工事が原因だということが立証できなければ、責任を問うことは困難になります。工事の前に現状の建物の調査をして、その後変化があれば、それは工事が原因だということが立証しやすくなります。そのことは、逆に施行者にとっても、以前からの問題だということも立証できることとなりますから、通常は、施工者の方から自主的に調査をしてくれます。もしその調査が無かったのであれば、今からでも家屋調査を業者に依頼する、または自分で行う等が肝要です。頑張って行動してみて下さい。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2015/8/6 掲載]

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • この記事をmixiチェックに追加
  • この記事をtwitterでつぶやく

住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子

建築訴訟を中心に活動していくつもりです。皆さんと一緒に、この相談室を通じて勉強していければと思っています。


バックナンバー


※正しく表示されない場合はしばらくお待ちいただくか
こちらのリンクをクリックしてください

 

このサイトについて

日本経済新聞社について