日本経済新聞 関連サイト

住宅サーチ for Premium Life

住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • この記事をmixiチェックに追加
  • この記事をtwitterでつぶやく

QUESTION

所有住民と賃貸借住民を連帯させたい

(東京都 60歳代 団体役員 男性)

 私の住むマンションでは、区分所有権を持っている住民の世帯と、所有者から借りて住んでいる住民の世帯がほぼ半々の比率です。投資目的で購入した所有者は管理組合に非協力的な人が多く、管理組合総会を開いても出席率は悪く、役員も同じメンバーが毎年なんらかの役をしなければなりません。管理組合で決めたことを賃貸借住民に周知徹底するのもなかなか難しいのが実情です。


 賃貸借世帯の方たちにも、積極的にマンション管理に関わってもらう方法はないものでしょうか。また、賃貸で借りている人に管理組合の役員をしてもらうことはできないのでしょうか。


ANSWER

住民倶楽部結成の提案

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 最近、首都圏を中心に分譲マンションを住むためではなく投資目的、あるいは節税目的で購入する方が、バブル経済期以降再び増えているということを聞きます。なかには外国人が所有するケースも増えています。


 日本の分譲マンションの所有と管理については、「区分所有法」という法律で定められているのですが、本来、「区分所有者イコール住民」を原則としており、最近のような占有住民(賃貸借契約等の所有権を持たない住民)の増加について、想定していないのが本当のところです。もっとも、管理と使用は別物で、そこに住んでいなくても所有者としての責任として区分所有者が積極的に管理組合に参加すれば何ら問題はないのですが、実際のところ、住んでいない所有者は、管理に関しても意識が希薄になっているのが現実です。


 さて、そこで提案です。管理組合でもなく住民自治会でもない「○○マンション住民倶楽部(仮称)」を結成してはどうでしょうか。


 区分所有者で結成する「管理組合」はマンションの資産的保全管理を目的としていますが、「住民倶楽部」はマンションでの“快適で安全な生活環境の維持”を目的とする組織として、所有権の有無を問わず居住の事実がある住民で結成します。


 今までの自治会とどう違うかというと、マンション内の共用部分や設備の使用・保全についても積極的にかかわっていく点が大きな違いで、今までの自治会と管理組合の中間に位置する組織です。たとえば、駐輪場やエレベーターなどの使用・管理について意見を出し(自治会レベルではなかった発想)、自ら資産管理に資するルールを定め(今までは管理組合がやるべきとされていたこと)、必要があれば、管理組合に意見や要望を出すこともします。


 もちろん、清掃や避難訓練などの行事も積極的に管理組合と共同開催していきます。それにより、所有権を持たない住民も管理意識を持つきっかけとなり、実際に高齢化している管理組合の弱体化を補っていくことが出来れば最高ですね。


 賃貸借住民はマンション管理組合の理事会のメンバーにはなれませんが、理事会と住民倶楽部役員の合同会議を定期的に持つことで、区分所有住民と賃貸借住民の連帯感が生まれればマンション全体の利益に結び付きます。


 マンション独自で町内会を組織しているマンションでは、自治会と住民倶楽部を一体化しても良いと思います。


 突飛な提案かもしれませんが、是非、ご検討ください。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2016/1/7 掲載]

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • この記事をmixiチェックに追加
  • この記事をtwitterでつぶやく

住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


バックナンバー


※正しく表示されない場合はしばらくお待ちいただくか
こちらのリンクをクリックしてください

 

このサイトについて

日本経済新聞社について