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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

管理組合の会計処理に疑問点が

(埼玉県 60歳代 無職 男性)

 現在住んでいるマンションの管理組合から、総会資料として会計報告書が配布されました。その記載内容について腑に落ちない点があります。


 当管理組合では、5年の積み立て総合保険として火災保険を契約し、保険料を一括で支払っています。先日、満期となり保険会社から管理組合に戻ってきたお金があるはずですが、管理組合の貸借対照表にはその記載がありませんでした。どのような記載方法が良いのでしょうか。


ANSWER

貸借対照表の資産の部に計上

(住宅ねっと相談室カウンセラー マンション管理コンサルタント 江沼 伸一)

 国土交通省が出しているマンション管理のガイドライン「マンション適正化指針」から考えますと、問題があるといえます。賃借対照表は管理組合の財政状態の透明性を確保するのが目的の一つです。その貸借対照表に資産性のある積み立てマンション保険の積み立て部分が資産計上されていないのは、企業会計原則の基本的なルール(正規の簿記の原則、貸借対照表原則など)に則っていないからです。


 積み立て型保険の場合、保険会社に積み立て部分と掛け捨て部分の額を確認し、積み立て部分は資産として貸借対照表の「資産の部」に計上しなければなりません。資産に計上することにより、積立マンション保険の保険証券の存在と保管状況を組合員全員に周知できることにもつながります。


 積み立て型の保険証券は有価証券ですから、現金・小切手などと同様に取り扱わなければならないものです。掛け捨て型保険証券のように、単なる書類と同様のファイリングでは不適切であり、現金・小切手などと同様の取り扱いが必要となります。


 以上のことから、粉飾会計処理を防ぐだけでなく、有価証券としての適切な管理・保管が必要な点からも、適切に貸借対照表上の資産として計上することが不可欠です。


 具体的な対応策としては、管理会社に委託している場合は、まずは管理会社に対して積み立て分が資産に計上されていない理由の説明を求め、積み立て型保険証券の保管場所・保管方法も照会してください。そして、必要に応じて速やかに改善を求めてください。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2015/11/5 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー マンション管理コンサルタント 江沼 伸一

マンション管理をはじめとした住宅問題は、さまざまな分野や経緯が複雑に絡む難しさがあります。したがって、よりプラグマティック(実用的)な解決方法をアドバイスできるよう心がけています。マンション管理士、管理業務主任者、一級建築施工管理技士、宅建建物取引主任者、産業カウンセラー、社会保険労務士、行政書士、マンション維持修繕技術者、情報処理技術者、監理技術者、キャリアコンサルタント他。


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