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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

町内に空き家が増えてきて心配

(埼玉県 60歳代 会社員 男性)

 町内会長をしています。最近のニュースで、空き家の増加問題が盛んに言われていますが、私の町内でも空き家が増えてきており、調べてみると全65戸のうち9戸が空き家です。ずいぶん前から空き家だったものもあれば、住んでおられた方が亡くなったり、老人施設に入所されたりして1年以上、空き家になっているものもあります。


 ご近所から不安の声が出始めているのですが、具体的に空き家が増えるとどんな問題があるのでしょうか。


ANSWER

空き家が地域にもたらす実害

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 空き家は、近年の人口減少とともに急激に増加傾向にあり、社会問題になっています。また、この問題は、一部の過疎地域に限らず、全国で、しかも、立地の良いとされている住宅地にも広がっています。先日発表された2013(平成25)年度調査結果の速報でも、全国平均で空き家率が13.5%と、5年前(平成20年)の調査より0.4%増加しました。たった0.4%とかと思われるかもしれませんが、母数となる住宅総数が増えているためで、件数は深刻なまでに増加傾向にあります。


 空き家が、周辺住民に具体的にどのような損害を与えているかと言いますと、空き家として人が住まなくなった住宅には、あっという間に蜘蛛や小動物が生息するようになり、害虫が繁殖します。シロアリなどもその代表です。蜂が巣を作り、周辺住民の脅威になっている例も報告されています。まず、これらの害虫が、周辺地域に飛んでいくという被害が挙げられます。


 人のいない家を狙って、不審者が入り込むこともあります。そうなれば、火災や防犯の心配も増加します。もし誰もいないはずのお隣から不審な気配を感じれば、精神的な不安感を強く感じるでしょう。さらに、住民同士のコミュニティーが空き家によって分断されたり、人通りが途絶え、安全面だけでなく、地域経済面でもマイナス効果をもたらします。


 このように、空き家は、都市の連続性と機能性を阻害し、健康を含めた実質面と精神面の両面で、大きな不安と損害を発生させています。地域全体の利益の問題として、放置された空き家を増やさない意識啓発と運動を進めてください。具体的には、行政の担当窓口に相談することから始めてください。


[ 2014/8/7 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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