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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

管理組合の新理事、半数以上が辞退

(北海道 60歳代 無職)

 私の住んでいるマンションでは、管理組合の定款で、7名の理事を置くことになっております。任期は2年で、各階から順番に候補者を出してもらっています。


 ところが先日の総会決議で、新たに選任された理事7名のうち、なんと4名が高齢や仕事の都合などを理由に辞退してしまいました。前の期の理事会が事前に候補者の意思確認をしていなかったようです。自分たちのマンションは、他人事でなく、自らで維持していくという心構えがほしいものです。


 新理事会が成立しなかった以上は、前の期の理事会の役員が引き続き職務を行うことになるのでしょうか。それとも前の期の理事長に対して臨時総会を要求し、新たに役員を決めるということになるのでしょうか。


ANSWER

従前の理事全員が退任できない

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 最近の人口構成、並びに社会事情を表象したような事件ですね。住民の高齢化にともない、理事や役員のなり手に困るマンションや町内会は、日本中の共通現象です。報酬の問題もありますが、いよいよ外部人材(地域の専門家など)の活用を模索しなければいけない段階ですね。


 同じ管理組合方式を採用しているフランスでは、マンション管理組合の理事に、地元の不動産屋さん(地域景観の番人的存在)などが入って支援しています。総会の出席率も日本の比ではありません。不動産は個人にとっても地域にとって大切な資産ですから、絶対にスラム化させないという意識を感じました。


 さて、今回の場合、定款で理事の定数が決まっており、それを下回る場合は、新たに定員を上回る理事が選任されるまで、従前の理事には「権利義務」という責任が発生し退任できません。つまり、前の期の理事7名と、今回新たに選任されて辞退しなかった理事3名をあわせた10名が現在の理事会構成員となります。


 そして、前の期の理事は、次の臨時総会で新たに4名の理事が就任した時点で退任となります。ちなみに、この場合の任期の起算点は、先の定時総会の日です。理事長は、前の期の理事長のままですから、理事長に臨時総会の開催を求めてください。


 このように、住民が高齢化すると輪番制(持ち回り制)では、いずれ機能不全になります。外部の専門家も含め、理事や役員の選任形態を考え直す必要はあります。このことは、地域の自治体も真剣に対応を検討し始めていただきたいと思います。


 私は、この相談室の回答を通して訴え続けてきたことですが、くしくも相談者がおっしゃったように、自分たちの地域やマンションは、他人任せではなく、自らの責任と行動で維持していくという心構えが、その物件や地域の価値を決める時代になりましたね。これからも高い意識で頑張ってください。


[ 2014/11/6 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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