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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

隣の空き家、深夜に人の気配がする

(福岡県 60歳代 無職 男性)

 昭和40年代に分譲された福岡市郊外の住宅地に住んでいます。住民が高齢化し、施設に入ったり亡くなったりして、空き家になっているお宅が増えてきました。


 うちのお隣も15年前にご主人が、7年前に奥さんがそれぞれ亡くなり、それからずっと空き家になっています。子供はいらっしゃいません。


 このお隣の家に、深夜ときどき人が中にいるような気配を感じます。はじめはネコかネズミかと思っていたのですが、ドアの開け閉めする音が聞こえたり、人のような気配を感じたりします。


 放火などされたりしたらと心配です。警察に通報しようと思うのですが、所有者でない隣人が通報できるものでしょうか? また、私は地域の自治会の役員もしておりますので、自治会として何ができるのかもアドバイスいただければ助かります。


ANSWER

住居への不法侵入

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 仮に、お隣の空き家に人が無断で侵入しているとすれば、明らかに刑法第130条の住居侵入罪にあたります。

 刑法第130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。


 住居侵入罪は、所有者などの権利者から訴えがあって初めて罪の可能性が発生する親告罪(刑法第264条)ではありませんので、周辺住民の方も警察に通報することができると考えられます。泥棒と同じですからね。


 空き家の増加が大きな社会問題になっているということは、周辺住民に対する侵害や危険が増大していると言って過言ではありません。空き家の中で誰かがたき火をした形跡が発見されたという報告もあります。まさに地域一丸となって対応しなければいけない状態です。行政も空き家に関する対策条例を作って、この問題に立ち向かっていますので、十分相談して対応してください。


 具体的には、自治会として空き家対策チームを作り、地域のどのお宅が空き家になっているのか、所有者や管理者はどこにおられるのかなどの調査から始めてください。そして、その情報を警察と共有することも重要です。そして、従前の消防団のような自警団を結成し、定期的に見回りをしてはどうでしょうか。


 同時に、予防策も重要です。現在の所有者に対し、もしものことがあった時の連絡先を共有しておくなど、所有者の空洞化の防止や情報の充実が図れるような啓発を始めることをおすすめします。


 単身世帯が増加する中、自分が居住しなくなった後のことを考えることは、地域に対し迷惑をかけない重要な行為であるという認識を皆さんが持てるようにお願いしたいものですね。


[ 2014/10/9 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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