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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

管理組合総会、委任状に疑問が

(大阪府 60歳代 会社員 男性)

 先日開かれたマンションの管理組合総会で、議長から「委任状を含めた有効議決権が51%を超えているので総会は有効に開催された」という宣言がありました。ところが、総会終了後、受付にあった委任状を見てみると、受任する者の欄が空白のものが何通かありました。このような委任する相手を指定しない委任状は有効なのでしょうか?


 また、組合員の中には出席したものの、本人ではなく奥さんが委任状も持たずに代理出席しているお宅もありました。これも問題ないのでしょうか?


 実は、私も役員の一人なのですが、後になってどうもおかしな気分になってきています。


ANSWER

受任者の指定が無いと無効

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 そろそろ、マンション管理組合の定時総会を開くところが多い時期ですね。どこのマンションも総会の出席者の確保が大変なことと思います。しかし、本当は自分たちの大切な資産にかかわる総会ですから、出席して自分の目と耳で管理実態を確認しない方がおかしいほどのことなのですがね。先日お会いしたフランス・パリのアパルトメント区分所有者の方にその話をしたら、パリの自分のマンションでは、総会に欠席する人はどうしてもこれない人だけで、実質の出席者は8割ぐらいいると言っていました。日本の現状をお話したら、「それで皆さん平気なの?」と驚いていました。


 さて、委任状の有効性ですが、民法では「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」(第643条)となっており、委任者が委任する相手を指定し、その者が受任の意思を示さないと成立しないこととなっています。したがって、受任者の指定が無い委任状を受任者が持参しても、無効な委任状として扱うべきでしょう。


 もっとも、規約で、受任者の指定無き委任状は、理事長(または議長など)に委任されたものとみなすという趣旨の規定があれば、その条文の範囲で有効とされます。


 次に、組合員(区分所有者)の配偶者などの家族も本人同様に議決権を行使できるかということですが、もちろんダメです。代理人による議決権行使についても、規約の内容にしたがって、その代理人になれるものの範囲(同居家族に限るなど)、代理権を行使できる方法(委任書面の提出)の適格性を確認して初めて有効になります。


 せっかく開いた総会そのものが無効になってしまうことにもなりかねませんので、この機会に招集通知に添付する出欠確認書と委任状の様式の整備や、規約の確認をしてください。


[ 2016/5/12 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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