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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

大規模修繕時のコンサル会社の選び方

(静岡県 60歳代 会社員 男性)

 マンション管理組合の理事をしています。築25年が経過し、来年度以降に大規模修繕を実施することになりました。今回は管理組合に代わって監理をしてくれるコンサルティング会社を探そうということになりました。


 そこで、コンサル会社の選び方について、アドバイスいただければと思います。施工会社を決めてからコンサル会社を見つければよいのか、コンサル会社を先に決めて施工会社を推薦してもらうのか。また、コンサル会社にどこまでお願いすべきなのかなども知りたいです。


ANSWER

発注方式とその契約・仕様の検討の進め方

(住宅ねっと相談室カウンセラー マンション管理コンサルタント 江沼 伸一)

 「監理」(supervising)という言葉は、「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう」(建築士法第2条)とされ、施工における「管理」(management)やその他の管理(control)とは区別して用いられています。


 大規模修繕では (1)責任施工方式 (2)設計監理方式 (3)CM方式(CMはconstruction managementの略。建設発注者から準委任を受けたコンストラクション・マネジャーが中立的に全体を調整する) (4)その他(1~3の混合方式も含む)に大別できます。今回は、監理を第三者に任せたいということですので、(2)か(3)が選択肢になります。


 どの方式を採用すれば良いかというのは、実は非常に難しい問題です。なぜならば、管理組合ごとに、大規模修繕に投下できる人手や能力・資格、リスク管理の考え方などが異なってくるからです。


 まずは現在契約している管理会社を通じて、方式やコンサル会社を選ぶためにどのような方法があるかをアドバイスしてもらいましょう。管理のプロの立場から、一般的な選考方法や、自分たちのマンションの状況に適した方式・コンサル会社について、提案や情報提供をしてもらうのです。そのうえで検討を重ね、最適なコンサル方式とコンサル会社を詰めていきます。


 見逃しがちなのですが、選定中にはコンサル会社が用意した契約書や仕様内容を充分に検討しなければなりません。他の業界のように、必ずしも標準化された約款や業界書式が用いられるわけではありません。たった1枚だけの内容の薄い契約書もあり得ます。また、一口にコンサル会社といっても、その資格や能力は様々です。必ずしも工事監理が行われるとは限りません。工事監理を行わない提案など、会社によって立ち位置も様々なのです。


 ところが実際のところ、そのような認識がほとんどされておらず、チェックが抜け落ちてしまっているケースが見受けられます。コンサル会社のスペックの比較などに目が向いてしまいがちとなり、契約の細部の条項や仕様などの見直し・比較検討がなされていないケースが意外にあります。


 契約・仕様書等の検討を細部まで進めることは、管理組合の人的資源をどこまで投下して(外注を防いで)経費節減できるかといった重要な問題にも繋がってきます。このあたりの検討を通じて「コンサルタントにどこまでお願いすべきなのか」への答えが、おのずと明らかになってくるでしょう。


 また、管理会社をコンサルとして活用する方法もあります。管理組合と管理会社は、一見、互いに利益が相反している構図に見えますが、だからといってけん制するための設計・監理機能を他社に求めれば安価に抑えられるかというと、必ずしもそうとは限りません。管理会社の担当者や支援部署との信頼関係が築けるようであれば、合理的ともいえます。


 結局のところ、いずれの場合であっても、管理組合が主体的にチェック機能を働かせる努力を欠いて業者任せとなっては、いかなる方式を採用したとしても費用対効果を期待することはできません。


 さらに、もし施工会社を別に選考するのであれば、コンサルから先に決める方が、一般的にみて適切です。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2015/10/15 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー マンション管理コンサルタント 江沼 伸一

マンション管理をはじめとした住宅問題は、さまざまな分野や経緯が複雑に絡む難しさがあります。したがって、よりプラグマティック(実用的)な解決方法をアドバイスできるよう心がけています。マンション管理士、管理業務主任者、一級建築施工管理技士、宅建建物取引主任者、産業カウンセラー、社会保険労務士、行政書士、マンション維持修繕技術者、情報処理技術者、監理技術者、キャリアコンサルタント他。


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