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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

管理組合総会、「議長に委任」は無意味?

(神奈川県 40歳代 会社員 男性)

 マンション管理組合の定時総会を開くにあたり、理事会の中で疑問が生じましたのでお教えいただければと思います。


 出欠を確認する書面に「受任者の指定が無い場合は、議長に委任されたものとみなします」という記載がありました。一部の理事から、議長は決議に参加しないのだから、この規定は意味がないという意見が出ました。いかがなものでしょうか?


ANSWER

議長と議決権の関係は

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 マンション管理組合の総会だけでなく、会社などの法人も含めこの問題を正確に理解している人は少ないかもしれません。良いところに疑問を持たれたと思います。


 まず、委任状の効果ですが、このコーナーのバックナンバー(2016年5月12日更新分)でもご紹介したように、委任者は、誰に委任するかを明確にしないと委任の効力は否定されます。本来は、自分と同じ意見を持つ他の組合員を指名して委任すべきです。


 ただし、現実には、誰に委任するか決めにくいということもあり、委任する相手を指定しないで委任状を返信するケースも少なくありません。そうすると、ただでも出席者の確保に困る総会の有効議決数が確保できず、お流れということにもなりかねません。そこで、このような「みなし規定」を置いて、委任状を無駄にしない対策をとっている管理組合や法人が多いと思います。


 次に、議長が決議に参加できるかという点ですが、二つの考え方があります。一つは、議長の中立性を重視し、原則決議に加わらず、賛否が同数になった場合に限り一票を投じることが出来るという運営方法です。この方法の最大のメリットは、必ず答えを導き出せるというものです。もっとも、この方法では議長の議決権は一票でよく、「みなし規定」そのものは無効ではありませんが、一票以上の議決権があっても意味がないということになります。


 他方、議長も決議に賛否を投じることが出来るという運営方法です。この場合は、委任を受けた方の議決権も加算されますので当該みなし規定の意味は出てきます。ただし、議長の中立性は薄れるという考え方も否定できません。


 これらの採決に関する運営方法は、総会等の運営細則で決めればよく、どちらでなければいけないということはありませんので、その会議の規模や参加者の人間関係などによってふさわしい方法を選択すればよいでしょう(定款で定めているのであれば、定款を変更することも可能です)。


 最後に、「みなし規定」の内容ですが、総会の議長には理事長が付かなければならないということもありませんので、例えば「理事長に委任したものとみなす」という文言にし、議長には理事長以外の方が付くことも方法です。


 いろいろ検討してみて、合理的で風通しの良い総会運営を目指してください。


[ 2016/6/16 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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