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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

マンションの駐輪場が足りない

(埼玉県 50歳代 会社役員 男性)

 マンションの駐輪場の数が足りないせいで、各住戸の玄関ポーチに自転車を置く人が増えてきました。


 管理組合で玄関ポーチへの駐輪を認めるかどうかを検討したこともありますが、管理会社から「かなり広いポーチ以外は建築基準法違反になるため規約変更できない」と説明を受けました。防災上の理由から玄関ポーチにも120センチ以上の幅員確保が必要なためだそうです。


 駐輪場を増設するのは費用の面からもスペース確保の面からも厳しい状況です。何か良い方法は無いものでしょうか。


 また、玄関ポーチに置くことをやめない人が多いため、規則を書面化した方が良いのではという話もでていますが、どのようにするのがよいのでしょうか。


ANSWER

使用料とルールの位置づけ

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 近年、マンションの駐輪場が足りないという話をよく聞きます。これは、マンション購入時の年代的ニーズと最近の自転車ブームによるものだと思います。


 そもそも入居前には、どんなライフスタイルになるか想像できないことから、車の置き場所ばかり気にしていたと思いますが、実際に住み始めてみれば、自転車の使用率が高まることは良くあります。そこで売り主側も駐車場の確保を中心に設計し、駐輪場は最低限しか確保しなかった物件が多いと思います。


 また近年、自転車をエレベーターに載せることや、玄関ポーチや共用廊下、はたまたベランダに自転車を置くことの是非に関するマンショントラブルが増えています。


 解決策ですが、まずは駐車場の空きが無いかチェックしてみましょう。駐車場に空きが出始め、管理組合の収入として当てにしていた駐車場使用料が十分に確保できないという相談が増えているからです。来客用の駐車スペースを駐輪スペースに変えたという話も聞きます。


 ほかには、敷地内の植栽スペースを削ることも考えられますが、この場合、単純に植栽を無くしてしまうのではなく、マンションの敷地全体について植栽の配置を見直し、うまく融合できる方法を考え出してください。


 いずれにしても、ポイントは2つ、駐輪場の使用料とルールです。


 今まで駐輪場は駐車場よりも使用料が安かったと思います。修繕積立金への組み入れも予定していなかったことでしょう。そこで、駐輪場の使用料を再度見直し、駐車場使用料の減額を補てんすることも考えてはいかがでしょう。


 具体的には、1台につき少なくとも月額500円以上、1000円でも良いと思います。最初はかなりの反対意見も出るかと思いますが、それにより、無駄な自転車保有や放置自転車の防止にもつながります。また、駐輪スペースの設営費用や将来の大規模修繕積立金の確保という必要性も合わせて考えてみてください。


 値上げにより、ルールを守らない人が増えることも予想されますが、住民が苦労して作り上げたルールだということを十分にアピールすれば、違反自転車を撤去した際もクレームが出なかったという報告もあります。


 次に、ルールの徹底方法ですが、廊下や玄関ポーチ、ベランダに置かないとか、エレベーターに載せないなど細かな取り決めを規約に記載するのは、規約の性格上(マンション内の憲法)ふさわしくありません。理事会で「使用細則」という専門法(刑法)のような位置づけの規則をつくり、全戸に配布することをお奨めします。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2015/6/18 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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