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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

管理組合総会、委任された人も欠席したらどうなる?

(大阪府 70歳代 無職 男性)

 今年の定時総会で、ある組合員(ここではAさんとします)が欠席する代わりに別の組合員(Bさんとします)に議決権を委任する書面を提出していました。ところがBさんも欠席。Bさんも委任状を提出していましたが、委任する者の欄に何も書いていなかったので、組合の規定によりBさんの議決権は「議長に委任」したことになります。


 この場合、Aさんの議決権も議長に委任したものとみなしてよいでしょうか?


ANSWER

復代理人の選任権

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 最初の委任者から委任された代理人が、さらに欠席した場合、委任の効果はどうなるかということですね。


 まずは、民法の委任に関する条文を見てみましょう。代理人の代理人を「復代理人」と呼びます。委任された代理人が、さらに代理人を選任する権限のことを「復代理人の選任権」と呼びます。

●民法第104条(任意代理人による復代理人の選任)
 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。


 復代理人の選任は、「本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるとき」でなければ、原則、復代理人の選任権は認められないということになります。


 ここで言う「本人の承諾を得たとき」とは、別途、復代理人の選任権限を委任する旨の委任状を提出していた場合などです。「やむを得ない事由」とは、例えば、代理人の急病や直前の公共交通機関の停止などで、自分が委任された内容を実行できないことを、最初の委任者(ここではAさん)に事情を説明し、他の代理人を立ててもらうほどの時間の余裕もないほどの緊急的な事由のことです。今回の場合、代理人Bさんの欠席は、委任状を出せるほどの時間的余裕があったのですから「やむを得ない事由」には、当たらないと思われます。したがって、AさんのBさんに対する委任は、Bさんの欠席によって無効となると考えるべきでしょう。


 もっとも、このようなことが起こらないように、つまり、委任状を出来る限り無駄にしないように、委任状に、「復代理人の選任に関する権限」という内容を補完しておいたり、総会運営に関する細則等で、「代理人が欠席した場合は、その代理人が復代理人を有効に選任していた場合はそれに従い、そうでない場合は理事長に委任されたものとみなす」などのルールを作っておくのも有効だと思います。


 委任状の取り決めは、専門家ですら見落としがちな部分です。総会の当日にもめる原因ともなりますので、いろんなケースを想定して、事前にルールを決めておくことが賢明だと思います。もちろんこのルール(総会運営細則)は理事会が勝手に決めるのではなく、総会での承認決議を経る必要があります。


[ 2016/6/23 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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