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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション管理組合や自治会、近隣のトラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

理事会が建て替えを強行。阻止したい

(神奈川県 70歳代 無職 男性)

 築48年の分譲団地に住んでいます。住民の3分の1は70歳以上の高齢者、同じく3分の1は賃貸家族が住んでいます。


 現在、管理組合の現理事会の強引な手口で建て替え計画が進んでいます。特定業者とコンサルト契約を結んで調査を依頼し、業者の調査報告がでる1年後に建て替えの賛否を採決すると言っています。調査費は6400万円。48年かけて貯めた修繕積立金から支払おうとしています。


 建て替えが決まると、高齢者や若い子育て世代は、その間、仮住まいに引っ越ししたり新たな借金をしたりする負担に耐えられないと思われます。しかし、予想される困難さを実感している住民は少ないのが現状です。


 私はなんとか建て替えでない、修理・改修で住み続ける方向を見出してほしいと思うのですが、どうすればよいでしょうか。


ANSWER

考え方と相談先

(住宅ねっと相談室カウンセラー マンション問題コンサルタント 二木憲一)

 日本にマンションが誕生し、1960年代の第一次建設ブームから半世紀が経ちました。今まさに相談者のようなご相談が社会問題化しています。


 考えられる方法としては、以下の4つがあります。


 (1) 建て替え
 (2) 大規模修繕
 (3) 軽微修繕で放置
 (4) 建物解体、敷地処分


 少し前までは、(1)の建て替えが中心テーマでしたが、所有者の高齢化や住み継ぎ家族の不在などで、最近は相談者のようにできる限り負担の少ない修繕対応を望む声も高まっています。高齢者は「自分の生きている間だけもってくれればよい。それ以上の出資はしたくない」という声が多いのも事実です。でも、若い世代はどうでしょうか?


 負担金に関するご不安は当然あると思いますが、それも含め、不動産資産としての「マンション全体をどうするのか」を考えて行動する必要があります。


 そこで、建て替える必要がどの程度あるのか、建て替えでなく大規模修繕でも可能なのか、費用はどうなるのかなど、区分所有者の決議に必要な調査をすることから始めるのが一般的です。調査費は人手も期間もかかり決して安いものではありませんが、今回の6400万円というのはかなり高額ですね。団地の規模が分かりませんのでうかつなことは言えませんが。


 そこで、まずその調査費には何を含んでいるのか理事に聞いてみましょう。通常は耐震性能、コンクリート強度、建て替える図面の企画設計、住民の合意形成、行政との折衝などの費用です。また、何年かけてやる予定の予算か、特定業者とはどのような業種か(マンション分譲会社ですか、それとも建設会社、設計事務所、再開発・マンション建て替えコンサルタントですか)なども確認しましょう。


 さらに、調査の契約にあたっては総会の決議が必要です。団地とのことですが、団地の管理規約はすでに改訂されていますか? 棟と全体とに分かれていないと新しい区分所有法の下では正しい決議になりません。


 いずれにせよ、専門性が必要でプロの手助けが必要です。神奈川県ということで、以下の相談先が考えられます。


・地元自治体の住宅課
公益財団法人マンション管理センター
一般社団法人再開発コーディネーター協会
神奈川県マンション管理士会  など


 不定期に無料相談会も実施していますので、開催日を確認してみてはいかがでしょうか。相談会には一人ではなく住民数名で行くことをお奨めします。一人だと状況判断がしにくいからです。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2015/5/28 掲載]

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不動産利用コンサルタント 不動産鑑定士 二木 憲一

長年、マンションデベロッパーに勤務していました。土地の仕入れとマンション販売が会社人生の前半、後半は広い意味での土地利用でした。市街地再開発事業、マンション建て替え等の複雑化する土地利用の相談係です。最近の相談は、相続対策がらみの等価交換、成年後見人のトラブル、土地処分などシリアスな相談が増えてきています。高齢化社会を強く感じます。


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