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住宅ねっと相談室 あらかると

相続や離婚などに伴う住宅関係の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

昔の権利証書や契約書、捨てていいか

(山口県 60歳代 無職 男性)

 昨年、父が亡くなり、母と兄弟で遺産分割しました。長男である私が母の面倒を見ていることから、実家の土地・家屋の登記名義を父から私に相続移転しました。


 実家には、父が新築で購入したときの権利証書や契約書などが残っていますが、これらの書類は処分しても良いのでしょうか。それとも、私が相続した後も引き続き保管しておくべきでしょうか。いろんな書類が雑然と入っていて、どうしたものかと悩んでいます。


ANSWER

必要な書類とそうでない書類の見分け

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 不動産を取得する時に渡される書類は、書面主義の時代、特にいろんなものがあり、しかも、紙袋に無造作に入れてある場合が多いと思います。置き場所があればそのまま保管しておけば無難なのでしょうが、意外にかさばるし、何より、何のためのどんな効力がある書面でいつまで保管しなければいけないかが分からないと、本当に邪魔ですよね。


 まず、書面の種類としまして、(1)不動産の権利を表象する権利証書関係、(2)売買時の契約書関係、(3)その他の書類に分けられます。これらがごっちゃに保管されていると思いますので、整理してみましょう。


(1)不動産の権利を表象する権利証書関係

 土地と建物の権利証書という書面(現在は「登記識別情報」という電子データの暗号が書かれた書面)や、当時の登記簿謄本があるかと思います。今回のケースでは相続登記を済ませて相談者名義の「登記識別情報」が発行されていると思いますので、原則的にはお父様名義の古い権利証書関係は不要です。ただし、(万が一ですが)今回の遺産分割が無効なんてことがありますと従前の権利証書の効力が復活しますので、20年間は保管されると安心です。そのほかの登記簿などは、いつでも法務局などから入手可能です。


(2) 売買時の契約書関係

 契約書、売渡証書、領収書(登記費用の領収書や売買代金の領収書)などがあります。捨ててしまって後で悔やむものが、当時お父様がいくらで購入したかという金額を表す書類(売買代金領収書など)です。契約書の中に売買価格が入っていればそれも使えます。


 将来、ご実家を売却されることになった場合、売却で得た譲渡収入に税金がかかります。その際、購入価格が分かれば、差額にのみ税金がかかりますので、大変重要な書類となります。これが無いばかりに、購入した金額より売却する金額の方が少ないにもかかわらず、税金を取られてしまうことになる方は少なくありません。(1)(2)を通して、もっとも補完すべき書類とも言えます。


(3) その他の書類

 当時の固定資産税評価証明書や登記費用の領収書、住民票などがあると思います。これらは、当時の事情を知る情報としてしか意味はありませんので、ご自由にご判断ください。


 以上のことを踏まえ、紙袋に雑然と入っているであろう書類を整理したうえで、今回の相続登記で得た新たな「登記識別情報」「登記事項証明書」などと一緒に、できれば紙袋ではなくファイルに整理して一括保管されることをおすすめします。


[ 2014/12/18 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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