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住宅ねっと相談室 あらかると

相続や離婚などに伴う住宅関係の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

売却できそうにない空き家の後始末

(大阪府 60歳代 無職 男性)

 和歌山市の市街地から少し離れたところに実家があります。両親ともすでに亡くなっており、父の名義のまま10年以上空き家となっています。


 近所から「危険なので何とかしてほしい」と苦情があり、これから2人の弟と実家をどうするか相談しようと思います。弟たちは長男の私の名義にすることに異論は無いようですが、いくらかお金になるのなら自分たちも欲しいと思っているようです。


 ところが実際は買ってくれる人はおらず、使いもしない家の固定資産税や改修費用のことを考えると、私もいらないのが本音です。何か方法はあるでしょうか。


ANSWER

所在の行政に相談することから

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 最近、司法書士会や行政主催の法律相談会などでも、同じような相談をよく受けます。社会問題としての「実家の後始末」というキーワードが、トレンドになり始めていることを実感します。


 相談者は実家を離れ、その実家がどのような影響を周辺にもたらしているか想像できないと思いますが、ご近所の方にとっては、長期間にわたる空き家は火災や防犯面だけでなく、害虫発生などの実害も発生する困りごとの原因になっています。出来るだけ早く解決していただくことが、故郷への貢献だと考えてください。


 とはいえ、実際は簡単ではないですよね。容易に売却できるのであればまだしも、引き取り手がなかなか見つからず、しかも、補修にお金がかかるとなれば、放置したくなるお気持ちも分からなくもありません。


 やっていただきたいこととして、空き家がまだまだ活用できる状態である場合は、行政に問い合わせて、空き家の活用・処分を行政があっせんしてくれる制度(空き家バンクなど)が無いか聞いてみましょう。行政だけでなく、地域NPOなどの市民団体が空き家活用に取り組んでくれている地域もありますので、その有無も聞いてください。


 次に、近隣住民に迷惑をかけるほどの具体的な問題が発生しているような状態ならば、所有者の相続人として遺産分割の有無に関係なく、その問題を早急に解決してください。補修するか、解体して更地にするかなどが考えられますが、これについても、放置空き家の解消対策として、行政で補助金を出してくれるところも増えていますので問い合わせてみましょう。


 いずれにせよ、これ以上時間をおけば、問題がさらに拡大するだけです。出来るだけ早く不動産所在の行政に相談することから始めてください。


 同時に、相続人全員が事の重要性を共有し、早々に遺産分割協議をして後始末の責任者を決め、その方に名義を移し、その方が不動産の所有者として単独でいろんな手続きができる状態にすることが大切です。


 面倒ですが、大切な相続人としての責務です。頑張って下さい。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2015/12/17 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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