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住宅ねっと相談室 あらかると

相続や離婚などに伴う住宅関係の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

実家の土地・建物を自治会に寄付したい

(京都府 60歳代 主婦)

 私の両親が住んでいた実家が空き家になっています。


 昨年、両親がともに亡くなり、妹と私の共有名義で相続しましたが、どちらも実家に住む予定はありません。売却も考えたのですが、思い出のある実家をお金に換えるのも抵抗があります。


 両親は地域の人たちとのお付き合いが好きで、私たち姉妹が結婚して出て行ってからは、いつもご近所の方々が集まるにぎやかな家でした。そこで、できれば昔のように地域の人たちに使っていただける家として、地域の自治会などに寄付したいと考えるようになりました。


 このような相談は、どこに行けばよろしいでしょうか。良い方法はありますでしょうか。


ANSWER

適切な使用に戻せる仕組みづくりが急務

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 近年、景観保全や地域コミュニティーに役立ててほしいという目的で、自分の所有する不動産(空き家など)を町内会や行政に寄付したいとおっしゃる方が少なくありません。


 ただし、簡単に受け取ってくれる関係機関はそうそう無いのが現実です。受け取る側としては、現金や不動産を現金化しても良いという条件ならまだしも、その家屋を新たな所有者として維持管理しなければいけないということになりますので、その財源も管理できる人材もありません。まして、町内会(自治会)という責任能力がけっして高くない団体などは、使用者としては適切でも所有者としては責任が重く、将来、誰も責任が取れない不動産を生んでしまう可能性すらあります。


 空き家がこれだけ増加している時代ですから、何らかの形で社会のインフラ資産である不動産を公共的な所有物として受け入れる機関は必要だと考えます。


 実家のある地域の皆さんに今のお気持ちを伝え、行政や公益団体、NPO、社会福祉法人などと連携し、地域の共用的資産として使用・所有ができる方法が無いか相談してみてはいかがでしょう。


 現在のわが国は、人口が減少に転じ、細かく細分化された不動産資産と、所有者・使用者のバランス関係が崩れ始めております。そのため、適切な使用がされなくなった空き家や空き地などが急増しています。


 そのような不動産を地域コミュニティーや地域経済のために再び適正に使える状態(権利関係の調整)に戻す必要があり、このようなお気持ちのある所有者の意思にこたえる仕組み作りは、我が国の重要かつ急務な政策だと私は考えます。


 相談者のお気持ちを実現してくれる“ひと”に出会えることをお祈りしています。


[ 2014/10/23 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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