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住宅ねっと相談室 あらかると

一戸建ての新築時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

傾斜地に自宅を新築。豪雨対策などの注意点は?

(兵庫県 40歳代 会社員 女性)

 傾斜地を買って家を建てようとしています。最近、大雨による被害のニュースが増えていて心配です。


 自治体のハザードマップによると、土砂崩れの警戒地域に指定されています。山からは300メートルほど離れていますが、谷のような地域になるようです。


 地盤や設計で気をつけることがありましたらご指導ください。


ANSWER

情報収集が大切

(住宅ねっと相談室カウンセラー 一級建築士 荒尾 博)

 土砂崩れの危険性のある地域のなかには、土石流危険渓流、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険地域などがあります。


 急傾斜地崩壊危険地域は、高さが5メートル以上、傾斜度が30度以上で、崩壊により危害を生じるおそれがあります。公共施設などに危害が生じるおそれのある土地の区域では、知事が急傾斜地崩壊危険区域としている場合もあります。


 この地域の土地を購入して住宅を建築する際、もっとも大事なことと言えば、傾斜地が崩壊する可能性を認識し、擁壁や建物の構造体を考えることです。以前、私が同じようなケースで設計を担当した時は、木造の一部を鉄筋コンクリート造にしたことがあります。だいたい、斜度30度を基準に判断します。


 30度以上の勾配で隣地と高低差がある場合は、一般的に高い側の土地の所有者に段差地(傾斜部分)の権利がある場合が多く、お隣に擁壁などの対策を講じてもらわなければなりません。


 相談者のケースでは、山から離れているということからすると、地すべりのおそれがあり、人家や公共施設に被害を生じるおそれのある地域とも考えられます。注意しなければならないのは、勾配30度未満の土地においても、地震や最近の降雨量を想定した豪雨により、流動地滑りを起こす可能性もあります。しかも、各住戸単位ではなく、複数の住宅や道路まで含めて町並みごと流れる可能性を否定できないことです。


 また、最近の台風などの影響などで積乱雲が帯状に並ぶ「線状降水帯」では、豪雨が長時間に達して、土石流発生の危険性も考えておく必要があると思います。


 いずれにしろ、このような土地に家を建てる場合には、地元の方や行政窓口などで過去の危険性についてより詳しく情報を集め、建築士や土木の専門家の意見もよく聞いておかれた方が良いと思います。


[ 2016/9/8 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 住まい創りのプロデューサー 荒尾 博

一級建築士、FP(ファイナンシャルプランナー)、インテリアプランナー、ビル管理士、横浜市木造住宅耐震診断士、神奈川県福祉のまちづくりバリアフリーアドバイザー、民間地震対策研究会主幹会員、地震防災と高齢社会住環境に興味あり。


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