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住宅ねっと相談室 あらかると

一戸建ての新築時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

家が傾いてきた。原因は地盤沈下?

(大阪府 30歳代 会社員 女性)

 3年前に当時築30年だった中古住宅を購入し、自分で住んでいます。


 以前から特定の場所で家鳴りがひどく、窓サッシや玄関の鍵もかかりにくくなってきています。不安に思い柱の傾きを調べたところ、構造的な問題(瑕疵)存在の可能性がかなり高くなるといわれる水準の「6/1000」以上でした。地盤沈下ではないかと心配しています。


 もし、地盤に問題があるならこの傾き自体は、地震で倒れやすいなどの構造上の弱点にはならないのでしょうか? また、売り主からどのような保証を受けることができるのでしょうか?


ANSWER

築年数からすると、地盤が原因とは考えにくいですね

(住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道)

 地盤沈下が原因で家屋が沈下するのは、建物荷重を支えきれないほど地盤が軟弱なときです。


 地盤に荷重が伝わると、土中の水分が脇に逃げ、逃げたぶんの水分量に相当する地盤の圧縮が生じます(専門用語では「圧密」といいます)。しかし、土中を水が移動するには一定の時間がかかるため、竣工後数年を経過し、累積された沈下量が大きくなるまでは、建物の不具合は目立ちません。


 だいたい建築されてから2~3年目で、傾斜が3/1000程度を超えるころから、基礎が変形し始めます。場合によっては基礎にひび割れが発生します。さらに時間が経過して沈下量が増大すると、その基礎の変形を反映して柱・梁などの構造材にも変形が生じ、主要構造材に接合されている床の傾斜やサッシなどの建て付けの不具合が顕在化します。


 ただし、圧密沈下は半永久的に続くわけではありません。建物荷重の影響範囲にある土中の水分が減少することによって、上からの重みと下支えする地盤が均衡してくるのです。一般的には7~8年ほどで圧密沈下は終息に向かいます。


 もっとも、例外的に沈下が長期化する場合があります。それは、軟弱地盤の層が非常に厚く、堆積している土の種類が圧縮性の高い「腐植土(低湿地に分布します)」であると、十数年を超えて沈下が発生し続けることがありますが、これも30年は長すぎます。


 以上のことから考えて、相談者のお宅は築33年を経過しており、いまさらサッシや玄関の鍵がかかりにくくなるという現象が出てくるのは考えにくいです。そのような不具合は元から潜在していたか、あるいは3年前の引き渡しの際に一時的に建て付けだけを直しただけで基礎自体の傾斜や変形を放置していたために、あらためて建具が追随したのではないかと推定します。


 地盤が原因でないとすれば、構造材同士を結合しているボルトなど建築金物のゆるみ、あるいは湿気による腐蝕、シロアリ被害、庭の木の根腐れ、地中の配管の亀裂などが考えられます。


 一度、建築士などの専門家の耐震診断を受けてみてはいかがでしょうか。


 なお、中古住宅に関する瑕疵担保などの保証に関しては、原則、売買契約書で取り決めた範囲で効力発生します。


[ 2014/10/2 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道

地盤は、土地の購入、住宅の建築に際し看過されがちな分野ですが、思いがけないリスク(軟弱地盤・洪水・湿気・地すべり・地震・汚染など)が潜んでいます。これまでのコンサルタント経験を生かし、分かりやすくエンドユーザーの皆様に解説します。住宅地盤品質協会会員。


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