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住宅ねっと相談室 あらかると

一戸建ての新築時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

二世帯住宅、親世帯が2階でもいいか

(神奈川県 40歳代 主婦)

 私の実家を二世帯住宅に建て替える計画を進めています。建て替え後は夫らとともに引っ越し、私の両親と同じ家に住みます。そこで、二世帯住宅の間取りについて、基本的な考え方を教えていただければと思います。


 1階と2階で世帯を分けようと思いますが、高齢者世帯は1階の方が良いでしょうか。それとも、キッチンもリビングも小さくてよいので、2階でも良いでしょうか(その場合はエレベーターを設置します)。また、両親に介護が必要になった場合に備えて用意しておいた方が良い設備などがあれば教えてください。


ANSWER

家族のライフスタイルを意識して

(住宅ねっと相談室カウンセラー 一級建築士・インテリアコーディネーター 伊丹 弘美)

 建築士でインテリアコーディネーターの伊丹です。これまで何件か二世帯住宅を設計してきた経験から、アドバイスさせていただきますね。


 まず、上下階の割り振りについてですが、将来の在宅介護まで視野に入れて検討されているのでしたら、やはり親世帯は1階がよいでしょう。いつどのような介護が必要になるか分からないことを今から細かく決める必要はありませんが、ある程度は、在宅介護のイメージを持ち、間取りを考えてみてはいかがでしょうか。


 設備機器や設備に必要な配管は、後から変更しにくいものです。そこで、トイレやお風呂などの水回りの配置を将来にわたって使いやすい位置に配置します。さらに、キッチンや洗面台などは、ご両親の身体機能に合わせて、将来、変更・調整できるようにしておきます。トイレはできるだけ自分で行けるよう出入り口を便器に対して横から入るよう配置したり、扉は3枚引き戸にしておくと、将来車いすとなっても90度の回転で移乗でき、介護スペースも確保できます。


 トイレの近くにスロップシンク(汚物の清掃用シンク)を設けておくと(または将来スロップシンクを設置できるスペースと配管を準備しておくと)、介護する方も便利です。できれば、事故が起きやすいトイレや浴室、体調が急変しやすい寝室には、緊急通報装置を準備したほうが安心でしょう。


 在宅サービスを受けながら在宅介護を考えているようでしたら、国土交通省のホームページから、「在宅サービスに対応した住宅を考えるヒント」をご参照ください。


 二世帯住宅の間取り設計には、それぞれのご家族のライフスタイルが大きく関わってきます。特に気を付けなければならないのが、設備をどの程度共有するのか、空間をどのように仕切るのかです。ライフスタイルの違いは生活のリズムにあらわれます。生活リズムが異なる二世帯が快適に暮らすには、現在だけでなく将来を含め、どのようなライフスタイルを送りたいのか、ご家族で十分に話し合ってみてください。


 共通するご趣味があれば、それを楽しむスペースを計画したり、ご家族みんなで運動するスペースなどを計画してみてはいかがでしょう。専用の部屋を準備する必要はなく、家具を動かして多目的に使えるスペースで十分です。きっと家族の絆が深まります。


 今回、同居されるのが奥様のご両親ということなので、もし完全共有型二世帯住宅にされるならば、ご主人がのびのびと一人になれる空間も検討してあげてはいかがでしょうか。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2016/1/14 掲載]

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一級建築士・インテリアコーディネーター 伊丹 弘美

2000年、Plannign Office HIRO設立。2011年、早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程卒業(人間科学修士)。現在は早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程に在籍し、建築空間について環境心理学や建築環境学の視点から科学的に探究。空間の心地良さは、デザインの美しさだけでなく動線や機能、家具の配置や色彩、照明など全体の調和あってこそ。そして建築デザインは、空間をデザインするだけでなく人間関係をデザインすることでもあります。


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