住宅ねっと相談室 あらかると
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決済の遅れに対する損害賠償について
(兵庫県 30歳代 会社員 男性)
マイホームを建てる目的で、土地の購入契約を締結しました。決済日は、7月25日でした。この土地は、公道に2メートル以上接していない旗竿状の土地で、建築基準法の第43条第1項ただし書に基づく申請が必要です。
現在、決済にむけて住宅ローンの本申請中で、いまだ第43条ただし書申請の許可が下りておらず、決済日からすでに1カ月過ぎてしまいました。仲介業者からは「これ以上決済が遅れると、売主に履行遅延に伴う損害賠償金1割請求されるかもしれない」と言われています。
遅れたのは43条ただし書申請の審査に時間がかかっているためです。しかも、特約事項で、43条ただし書の審査に通らなければ白紙解約をうたっています。特約にある43条但し書きが大前提の土地であるにもかかわらず、その審査に時間を要した事を加味せずに、履行遅延を理由に損害賠償金を請求されるのでしょうか。
また、遅延損害金1割の取り決めなどしていないのに、そんな大金を請求されるものなのでしょうか。アドバイスよろしくお願いいたします。
| 建築基準法第43条(敷地等と道路の関係) 建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空き地を有する建築物その他の建設省令で定める基準に適合する建築物で特定行政庁が交通上、安全上、防火上、衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。 |
遅延損害に関する考え方と法定利息
(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光曠)
「建築基準法第43条第1項ただし書申請」とは、本来、建物を建築する場合、公道に2メートル以上接した敷地出ないと建てられないという規定(第43条第1本文)があり、「ただし書」とは、例外規定のことで、その例外に当たることを行政機関に認めてもらう手続のことですね。
ちなみに、例外として認められる基準が省令で定められていますのでご紹介しておきます。
| ※建築基準法施行規則第十条の二の二 (敷地と道路との関係の特例の基準) 法第四十三条第一項ただし書の国土交通省令で定める基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。 一 その敷地の周囲に公園、緑地、広場等広い空地を有すること。 二 その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員四メートル以上のものに限る。)に二メートル以上接すること。 三 その敷地が、その建築物の用途、規模、位置及び構造に応じ、避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であって、道路に通ずるものに有効に接すること。 |
さて、今回のケースですが、契約の詳細が分かりませんので、場合分けをします。
もし、今回の土地売買契約が、建物を建てることを目的とした土地売買契約で、売主も上記許可が下りることを前提に価額を設定した場合、買主側の過失によらない遅延に対しては、売主は責任を追及することは出来ないと考えます。理由は、単に条件付き売買の条件が成就していない段階だからです。
一方、何の条件もつけない売買契約なら、原則、過失の有無に関係なく遅延責任が問われます。しかし、白紙解除特約の存在から、本ケースは、前者の場合だと推測します。
次に、損害賠償金の利率ですが、仮に発ししたとしても、その利率は当事者間の契約で決めていれば、原則その利率が適用されますが、何の取り決めもない場合、民法第404条で定められた法定利息年5%以上は請求できません。
なお、話がこじれるようでしたら、契約書および重要事項説明書等を持って法律相談を受けましょう。
[ 2011/8/25 掲載]
住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。
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