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住宅ねっと相談室 あらかると

一戸建ての新築時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

外壁のサイディングに反り・割れが

(埼玉県 40歳代 会社員 男性)

 築9年の建売住宅に住んでいます。最近、家の西側のサイディングが反っていることに気付きました。


 全面にわたりコーキングが割れ、バックアップ材が見えています。部分的に割れていたり、胴縁(どうえん=壁の板張りやボード張りなどを受けるための下地部材)自体が浮いているところもあります。反りが5ミリを超えているところもあります。先日は1階部分の天井付近に滴が滴っていました。


 売り主であるハウスメーカーに見てもらったところ、反りの状態は特に異常ではないとのことでしたが、自分で色々調べてみると、サイディングメーカーの施工基準に準じていないところが多々あります。


 気になるのは、コンパネのような耐力壁に胴縁を固定している場所が数カ所あることです。12ミリ以上あれば良いそうですが、コンパネごと反っているようにも見えます。確認するためには一度サイディングを外すしかないのでしょうか? 特に反りが目立たない場所でも施工基準に準じていないところについては、修理を要求することはできるのでしょうか?


ANSWER

考えられる保証と調査内容

(住宅ねっと相談室カウンセラー 一級建築士 荒尾 博)

 単にサイディングとありますので、一般的な窯業系サイディングと仮定して回答します。


 保証の可能性は3つあります。1つは品確法(住宅品質確保促進法)による保証制度で、新築引き渡しから10年間、施工者に保証責任があります。構造躯体と雨水の浸入が対象となっていますので、サイディング自体については明確ではありませんが、反ってコーキングが切れていることで雨水の浸入の可能性を問えると思います。ただし、外装の場合、サイディング+透湿防水シートの二次防水があり、後者の防水機能が働いているとすれば、結露の可能性もあります。


 2つ目がサイディングの製品と施工についてメーカーの10年保証などがあるかどうかです。築9年だと対象になる可能性がありますので、施工業者かサイディングメーカーに問い合わせてみてください。


 3つ目は施工マニュアルなどとの整合性です。施工におけるマニュアルが守られていなければ、ある意味、債務不履行でもありますので、施工者に責任が問える可能性があります。


 ハウスメーカーの対応については、5ミリ程度のサイディングの反りやコーキングの切れなどは、窯業外装材協会やサイディングメーカーの保証との関係で、許容範囲かどうかなど技術的に説明する責任があると思います。


 瑕疵あるいは債務不履行であれば、それなりの対応を求めることも出来ると思いますので、まず下記の点を整理すると交渉が早いでしょう。


(1) サイディングの厚み
 12ミリの方が反りやすい可能性が高いと言えます。最近は、12ミリは製造していない場合が多いと思います。仮に、12ミリでしたら、製品自体の問題がある可能性も考えられます。この点については、メーカーの見解を聞く必要があります。


(2) 施工マニュアルとの整合性
 大変だと思いますが、立面図コピーに不良部の位置と症状(反り等では寸法等)をチェックしておく必要があると思います。高い位置では、望遠鏡などでのぞいて位置と見える範囲の症状を記録しておきましょう。特に反っている周辺は、確認しておくと原因の質問に役に立つと思います。釘など止め金具の場合、周囲の縁からの距離、周囲と中央のピッチなど分かる範囲で書き留めておきましょう。


(3) 胴縁
 在来木造や2×4工法では、455ミリピッチに柱や間柱、スタッドがあり、これに固定する前提で、構造用合板を貫通して何ミリ以上打ち込み固定する必要があるなどのメーカー指定があります。つまり、胴縁はあくまでもサイディングの通気を持たせて止めるためのもので、強度的には胴縁だけでなく、しっかりと柱や間柱に固定されていなければならないのです。


 また、通気厚を確保する意味で補助胴縁がある場合は無いとは言えませんが、在来木造では元々455ミリで500ミリ以下ですから補助胴縁を使わず、使うとしても部分的だと思います。しかし、胴縁を止める釘が間柱やスタッドの幅から逸れて飛び出すことはあるかと思いますが、これについてもマニュアルで決まりがあるはずですからメーカーに質問してください。


 サイディングの固定についてですが、胴縁か専用通気金物で柱か間柱に固定することがマニュアルに書かれていると思います。縦横張りなどサイディングの自重があるからです。つまり、12ミリの合板で大丈夫というのは疑問で、結果胴縁の反りがサイディングに影響している可能性もあります。


 これらを調べたうえで、想定される原因やマニュアル逸脱問題、補修などの対策、費用と負担、予想される施工期間、補修後の保障などを文書にし、関係図面など添付して、ハウスメーカーと確認することが必要です。


[ 2014/11/27 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 住まい創りのプロデューサー 荒尾 博

一級建築士、FP(ファイナンシャルプランナー)、インテリアプランナー、ビル管理士、横浜市木造住宅耐震診断士、神奈川県福祉のまちづくりバリアフリーアドバイザー、民間地震対策研究会主幹会員、地震防災と高齢社会住環境に興味あり。


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