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住宅ねっと相談室 あらかると

一戸建ての新築時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

自宅の地中から大量の瓦礫が出てきた

(兵庫県 30歳代 会社員 男性)

 2004(平成16)年に新築の建売住宅を購入し、そこに住んでいます。先日、家庭菜園をしようと庭先を掘り返したところ、大量の瓦礫(がれき)が出土されました。瓦礫の中身は、丸ごとのコンクリートブロックやレンガ、ガラス片、プラスチック片、鉄製の支柱など、多種に渡っていました。庭だけでなく、建物の下にも埋まっているようです。


 売り主に連絡したところ、「大きな瓦礫は、元から埋まっていたため、気づかなかった。少なくとも、あなたの家はこの10年建物が傾いたこともなく、問題はない。瓦礫があることによってどのような瑕疵があるのか立証してください」と瑕疵を認めませんでした。


 最近ニュースになったマンションの杭問題では、国土交通省が業者に調査を「指示」したと聞きました。私のケースでも、行政から売り主に安全を証明する「指示」を出してもらうことはできないのでしょうか。


ANSWER

原則、請求する側に瑕疵の立証責任があります

(住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子)

 お気持ち、お察しします。


 まず注意すべき事は、「瑕疵」とは、目的物が通常備えるべき品質や性能を欠いていたり、当事者が予め定めた性質を欠く状態であるということです。不具合・欠陥とは異なる概念です。家の傾斜は不具合であり、杭が支持層まで届いていないと言う原因が瑕疵となります。


 瑕疵が特定されないと、補修方法が定まらず、損害金額も明らかとなりません。したがって、原則として「〇〇してくれ」と請求する方に、瑕疵の内容を立証する責任があります。現在ニュースになっているマンションの杭問題のように、マスコミの力によって、業者が調査をしたのはラッキーなケースといえましょう。


 本件の場合は、敷地に瓦礫が存在したことがそもそも瑕疵といえるのか、また敷地に瓦礫が存在したとのことで、その結果どのような損害が発生しているのか明らかではありません。瓦礫が少なければ、土地に瑕疵がないと評価される場合もありますし、建物を建てる以前の地盤調査によって、瓦礫がある敷地においても十分に地耐力がある建物が建てられているのであれば、建物に瑕疵はないといえます。


 2004年の購入なら、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の瑕疵担保責任の適用期間である10年も超えていることから、たとえ構造耐力上の瑕疵があったとしても瑕疵担保責任の追及は難しいと思われます。土地の瑕疵と考えても、瑕疵担保期間は経過していると考えられます。


 不法行為責任を追及することは可能かもしれませんが、まずは、瓦礫によって事実上どんな損害が発生しているのかを検証してみることから始める必要があります。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2015/12/31 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子

建築訴訟を中心に活動していくつもりです。皆さんと一緒に、この相談室を通じて勉強していければと思っています。


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