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住宅ねっと相談室 あらかると

一戸建ての新築時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

隣の敷地に雨水や落雪の可能性がある庇の設置について

(埼玉県 40歳代 会社員 男性)

 大手住宅メーカーにて注文住宅を建設中です。


 取り付ける予定の庇が、お隣の敷地に雨水を注ぐことになってしまうおそれがあり、民法218条(雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止)に抵触する事が判明しました。追加の費用を払い、何らかの変更をせざるをえない状況になっております。


 玄関の脇に自転車3台を置くため、雨よけとしてカーポートのようなものを設置したいと住宅メーカー側に伝えたところ、「それでは見映えが悪いので大きな庇をつけてはどうか」と提案され採用しました。庇を取り付けるための鉄骨が外壁に付けられた時点で、私が隣地に雨水・落雪の恐れがあることに気付きました。住宅メーカーの担当者に相談したところ、庇に雨どいや雪止めは付いていない仕様なので、後付けしたとしても落雪の危険は完全には防げないとの回答でした。


 私としては、隣地への落水・落雪の可能性がある以上、庇の取り付けをやめて、必要のない鉄骨を撤去したいと考えております。この件に関し、住宅メーカーの責任は無いのでしょうか。


ANSWER

落雪・落水に関する施工者の責任

(住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子)

 この問題に関しては、素人である施主さんが予測できるはずもないので、最終的には、設計をした住宅メーカーに責任があります。住宅メーカーの責任において対処してもらいましょう。


 対策として、まず鉄骨部分はそのままに陸屋根にし、先端部分にパラペット(縁壁)などを取り付けることで対応できないでしょうか。それができなければ、鉄骨部分を短くするか取り外すしかありません。いずれにせよ、施工者がリスクを説明し、それでも施主が強硬指示するなどの特段の事情が無い限り、施工者の責任は免れないと思われます。仮に、住宅メーカーが対応に応じてくれない場合は、弁護士等に相談してください。


 ちなみに、家を建てる際の相隣関係のトラブルは少なくありません。今回の庇の問題(218条)のほか、下記の234条や235条が代表的です。いずれにせよ、住宅メーカーには法律を遵守した建物を建てる義務があります。


民法の相隣関係の主な条文

(雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止)
第218条 土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。

(境界線付近の建築の制限)
第234条 建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない。
2 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。
第235条 境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。
2 前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。


[ 2014/10/30 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子

建築訴訟を中心に活動していくつもりです。皆さんと一緒に、この相談室を通じて勉強していければと思っています。


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