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住宅ねっと相談室 あらかると

土地の購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

「雨水浸透ます」は地盤沈下を招く?

(東京都 50歳代 会社員 男性)

 私の住む東京都小金井市では、雨水を地中に浸み込みやすくする「雨水浸透ます」の設置を推進しており、助成制度があります。我が家も設置を検討しているのですが、一つ不安があります。


 我が家の敷地は、道路部分より1メートルほど高く、道路から擁壁があり、盛り土しているような状態で建物が建っています。敷地のほとんどはコンクリートを敷き詰めています。そのような敷地で浸透ますを設置した場合、地盤がゆるくなったりして地盤沈下の原因にはならないのでしょうか。


ANSWER

浸透ますの効用

(住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道)

 ほとんどの道路がアスファルトで被覆されてしまった現在、雨水は土中に浸透することなく、道路の側溝から下水管に集まり、河川へと直行し、海へと流れ出てしまいます。雨水が地下水として土中に滞留することができなくなると、井戸や湧水の枯渇、ひいては河川の水量の確保が困難になってしまいます。


 そこで、相談者のお住まいの東京都小金井市では、野川をはじめとする河川の自然再生事業に力を入れており、雨水浸透ますの設置にも積極的に取り組んでいるようです。浸透ますを設置して、雨どいなどからの雨水を道路の排水管へ流出させてしまう無駄を少しでも防ごうというものです。


 通常、宅地内の地盤は、流入してくる水と排出される水の収支が均衡しているぶんには、地盤が軟弱化するなどの問題はありません。記録的豪雨が長期間にわたって連続したり、当該の宅地が「沢筋」に位置しているために、周囲の雨水や地下水が一点に集まるといった特殊な要因でもない限り、水はより低い土地(または深い土中)へと移動し、地盤は乾いていくものです。


 問題は、浸透ますそのものであるよりは、擁壁自体にあるかもしれません。擁壁には「水抜き孔」を設け、擁壁背面に集まる水を擁壁の外側へ逃がしてやることが必要なのです。ちなみに、高さ2メートル以上の擁壁には、3平方メートルに1カ所の水抜き孔の設置が義務付けられています。そして、浸透ますの設置位置については、擁壁の高さの2倍、建物から30センチ程度離すのが推奨されています。立地上それができない場合は、市役所に相談するのがよいでしょう。


 矛盾するようですが、庭先のほとんどが土間コンクリートとして被覆されていることは、「表面水」が宅地の地盤に浸透しにくいので、擁壁の背面に雨水が溜まる心配がより小さくなるので、地盤が安定するという意味では有利です。


[ 2016/6/2 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道

地盤は、土地の購入、住宅の建築に際し看過されがちな分野ですが、思いがけないリスク(軟弱地盤・洪水・湿気・地すべり・地震・汚染など)が潜んでいます。これまでのコンサルタント経験を生かし、分かりやすくエンドユーザーの皆様に解説します。住宅地盤品質協会会員。


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