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住宅ねっと相談室 あらかると

土地の購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

隣地との境界の合意方法について

(東京都 50歳代 自営業 男性)

 近隣の住民同士で、長年にわたっての境界線に関するトラブルがあり、同じ町内の住人として心配していたのですが、ついに、一方の所有者がお引越しされるという残念な結果になりました。


 その出来事を受けて、我が家とお隣りの間でも、きちっと境界線を決めておいた方が良いのではと話しています。お隣りとは元々1つだった土地を分筆してそれぞれ購入したのですが、昭和50年代当時のことで境界線がはっきりしていません。


 お互いが合意した点に、鋲を打ち込めば良いのでしょうか。それとも、法的な手続きを踏まなければいけないのでしょうか。一番安上がりで境界線を明確にする方法を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。


ANSWER

筆界確認書の作成

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 境界に関するトラブルは、戦後急速に土地が細分化された我が国において、見過ごすことができない重大な社会問題であり、震災復興現場でも大きな足かせとなっています。


 お隣り同士が積極的に手続きを考えていらっしゃることは、賞賛に値します。ちなみに、2005(平成17)年の不動産登記法改正により、土地を分筆するには、測量をしなければいけないことになりました。


 さて、お隣り同士で境界を決める場合、お互いが立ち会いのもと、境界鋲を打ち込んで、写真を添付した合意書をつくるという方法を取られる方もおられますが、この合意書は、あくまで当事者同士の決めごとであり、登記情報に反映されるものではありません。どちらか一方が売却して第三者の所有に代わったときに、その効力が問題となります。


 将来の契約書にそのような合意があることが明記され、買主も承諾しないと対抗できません。万が一紛争になると、金銭的にも精神的にも負担がかかりますので、多くの紛争を見ている専門家(私)としては、多少の出費を惜しまず、確実な方法を取るという方をおすすめしたいです。


 そこで、おすすめするのが当事者同士の「筆界確認書」の作成です。この確認書は、GPSまたは周辺起点から割り出した測量図面を添付するもので、登記情報にも反映されます。たとえ境界鋲が移動しても、元の位置が客観的に正確に割出すことができます。したがって、たとえ所有権が第三者に移ったとしても対抗できることになります。


 また、特定の隣家との境界だけでなく、周辺すべての境界を法的に確定することができれば、土地としても評価が上がりますので、長い目で見れば得と考えることもできます。費用など、詳しくは、専門資格者である土地家屋調査士に問い合わせてください。


[ 2013/3/7 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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