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住宅ねっと相談室 あらかると

土地の購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

ため池を埋め立てた宅地、大丈夫ですか

(長崎県 会社員 40歳代 男性)

 水田だった土地を造成した分譲地を購入予定です。直径6メートルぐらいのため池があった場所の一部が敷地にかかっているそうです。ため池を埋め立て後も反対側の脇の方から水が出ているようです。


 販売業者の説明では、「水田とため池の表層から3メートルほど盛り土をしており、地盤補強すれば大丈夫」ということですが、建物を建てる部分だけの地盤補強で大丈夫でしょうか?


ANSWER

地盤調査をすることから

(住宅ねっと相談室 地盤コンサルタント 高安 正道)

 ため池には (1)谷筋や水路沿いの下流側を堰き止めて貯水するタイプと、(2)平坦な場所を堤で囲い、中を掘り下げて、水源から水を引いてくるタイプの2つがあります。


 (1)のタイプでは、谷筋や丘陵斜面の沢筋は「集水地形」と呼ばれ、周囲の高台から絶えず水が流入してくるため地盤が緩くなります。どのような物質も水分量が多ければ軟らかくなります。


 (2)のタイプは、元々平地だったので比較的地盤がよいと思われますが、長期にわたって水に浸されていた土は軟弱化することもあります。


 ため池の問題だけでなく、水田として長く利用されていたのであれば、地盤そのものが軟弱である可能性があります。


 今回のケースでは、以下の3点に注意が必要です。


・ 宅地の一部がため池にかかっているのであれば、ため池であった場所とそうではない場所で、地盤の硬軟の差(さらには盛土厚の差)があるので、その境をまたいで直上に家屋を配置するのは好ましくありません。


・ 盛土は、厚さが50センチ程度で家屋1棟分の重さに相当します。したがって、盛土の下の地盤には、盛土と家屋の双方の荷重を支えるだけの強さが要求されます。


・ 盛土が落ち着くには数年を要します。購入予定の土地がまだ新しい造成であれば、盛土自体もふかふかしています。


 このような土地に家を建てる場合は、何よりもまず地盤調査をすることから始めましょう。具体的には、計画建物の配置にしたがって、その四隅と中央の5カ所について、スウェーデン式サウンディング試験(戸建て住宅では最も一般的な地盤調査方法)を実施してください。それにより、盛土厚の変化や軟弱地盤の有無を確認することができます。


 そして、地盤調査結果にもとづいて地盤補強工事の設計を“適切に”行えば、不同沈下対策を講じることが十分に可能です。建築条件がついているなかで、その“適切な”設計ができるかどうかが、ポイントになると思われます。


 なお、「反対側の脇の方から出ている水」については、建築会社と相談のうえ、当該の宅地に水が浸透することがないよう配慮してもらってください。沈下ばかりでなく、湿気の原因ともなります。


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[ 2015/9/10 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道

地盤は、土地の購入、住宅の建築に際し看過されがちな分野ですが、思いがけないリスク(軟弱地盤・洪水・湿気・地すべり・地震・汚染など)が潜んでいます。これまでのコンサルタント経験を生かし、分かりやすくエンドユーザーの皆様に解説します。住宅地盤品質協会会員。


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