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住宅ねっと相談室 あらかると

土地の購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

造成宅地の擁壁の安全性について

(兵庫県 30歳代 会社員 男性)

 現在、里山の傾斜を造成した建売住宅の購入を検討しています。大手不動産会社が造成・建築したもので、全体としては基本的に切土をしているようですが、傾斜地のため、ほとんどの土地に擁壁がなされています(区画によってはひな壇状)。擁壁は、高いところでは6.5メートルほどもあります。大手による分譲であれば大丈夫だとも思うのですが、漠然とした不安感が拭いきれません。なお、自治体のハザードマップによれば、この地域では、近くの断層が動き、阪神・淡路大震災クラスの地震の際には震度6強が予測されるとのことです。


 そこで質問ですが、このような土地(特に擁壁)の安全性や将来のリスクはどのように考えればよいのでしょうか? 逆に言えば、どれだけ地盤や擁壁のことを調べれば、判断できるのでしょうか? また、擁壁工事の内容などについて調査する方法についてもご教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。


ANSWER

擁壁の安全チェック方法

(住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道)

 高さが2メートル以上の擁壁については、地盤調査報告書(ボーリング試験)や構造計算書などを添付して「工作物確認申請」が役所に提出され、完成後に役所立ち会いのうえで「検査済証」が発行されます。したがって、擁壁の安全性をチェックするには以下の資料を入手することが必要です。


(1) 検査済証
 擁壁がのっている地盤は堅固であるのか、または杭によって支持されているのかなど擁壁の安全性については、検査済証が発行されている限りにおいて、役所のチェックが行われたものと見做せます。役所の開発指導課または建築指導課で当該地の住所を言って請求してください。念のため、構造計算書やボーリング試験報告書なども閲覧できないか尋ねてみましょう。


(2) 造成計画図
 多区画の造成地では、区画ごとにどのような段差を付けるかを計画するために、あらかじめ測量を実施し、盛土・切土に関する平面図や断面図を作成します。造成計画図から当該の区画が盛土地盤であるのか、切土と盛土が混在しているのかなどを判読します。この図面は造成会社に請求すると入手できることがあります。


 現地を下見する際には、擁壁自体に亀裂や湾曲(はらみ)がないかを目視で確認しましょう。擁壁沿いに地割れやうっすらと陥没がある場合も要注意です。また、擁壁背面の建物が載る地盤については、地盤調査(戸建住宅ではがほとんどスウェーデン式サウンディング試験)の報告書を入手しましょう。ただし、これは造成段階と土地の売買の時点では実施されていません。建築会社が設計に当たって実施します。さらに、スウェーデン式サウンディング試験の報告書を見ることによっても、盛土・切土のおおよその区別や地盤が軟弱ではないか、埋め戻しに瓦礫(がれき)などが投棄されていないかといった情報が得られます。


[ 2012/2/16 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道

地盤は、土地の購入、住宅の建築に際し看過されがちな分野ですが、思いがけないリスク(軟弱地盤・洪水・湿気・地すべり・地震・汚染など)が潜んでいます。これまでのコンサルタント経験を生かし、分かりやすくエンドユーザーの皆様に解説します。住宅地盤品質協会会員。


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