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住宅ねっと相談室 あらかると

土地の購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

造成中の斜面の大雨対策

(東京都 50歳代 会社員 女性)

 我が家は、道路から少し山の方に入った10メートル位の高台にあります。その道路から自宅までの斜面を、不動産開発業者が切り崩して宅地造成中です。庭先にあった傾斜地の大きな木々(隣地境界線を越えたところまで)をすべて抜根され、現在斜面は土が剥き出しのままになっています。家と崖の間は1メートル余りしかなく、雨量が増えている昨今、崖が崩れるのではないかと心配な毎日です。


 斜面の角度は60度ですが、施工業者にどう対処するのか問いただしたところ、傾斜角度を60度から45度にして芝を植えるとのこと。土を盛るのではなく土を削って45度にすると説明されました。それがどういう意味なのか素人には想像がつきません。本当にそれで安全なのか心配でなりません。


ANSWER

盛土より切り土の方が安全です

(住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道)

 斜面のことを土木用語で「法面(のりめん)」といいます。法面を保護する方法には、(1)擁壁(または土留)を築造して、高台側からの土圧を抑える方法、(2)法面にコンクリートを吹き付けて被覆する方法、(3)法面に芝を生やす方法(法芝養生といいます)などがあります。


 法芝養生では頼りない感じもしますが、高速道路の切り通しなどで、両側の斜面をびっしりと芝で覆い、雨で表土が洗掘されたり、乾燥でひび割れが発生するのを防ぐのに役立てています。場合によっては、ネットを斜面に張ったのち芝生を張ります。


 おそらく現場は、道路からの斜面をひな壇状に宅地造成するはずなので、隣地となる区画と実家との高低差が重要となります。双方の宅地の高低差が2メートル以上になる場合は(切り土によって新たに2メートル以上の崖が発生する場合は)、「宅造法」によって何らかの対策を講じることが役所から指導されます。その場合は、費用は掛かりますが、斜面に対して斜めにもたせかける間知(けんち)ブロック擁壁か、または垂直のRC造L型擁壁を新築する事例が多いようです。


 一方、高低差が2メートル以下で、斜度が45度程度であれば、法的な制限を受けないので、法芝養生とすることも可能ですが、これ以上のことは具体的に現場を見ないと言及できません。


 斜面の勾配は、本来30度程度までが理想で、崖の高低差が2メートル近くに達するという場合は、役所の開発課(または建築指導課)を訪ね、当該の造成の「開発申請」が適正であるかを問い合わせるのがいいでしょう。


 私見ですが、高低差10メートル、勾配60度の自然崖は、それはそれで危険と言っていいと思います。仮に、今回の造成問題が無くても、自宅の建て替えが計画される事態となれば、「崖地条例」にもとづいて基礎杭を堅固な地層まで打設するなどの指導を受けたのではないかと想像します。


[関連記事] 敷地の盛土の土留めに不安 (2009/12/24)


[ 2014/7/17 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道

地盤は、土地の購入、住宅の建築に際し看過されがちな分野ですが、思いがけないリスク(軟弱地盤・洪水・湿気・地すべり・地震・汚染など)が潜んでいます。これまでのコンサルタント経験を生かし、分かりやすくエンドユーザーの皆様に解説します。住宅地盤品質協会会員。


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