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住宅ねっと相談室 あらかると

土地の購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

大雨で裏の擁壁が崩れ始めた

(神奈川県 50歳代 自営業 女性)

 5年前に新築一戸建てを購入しました。我が家の裏庭には、コンクリートの擁壁があります。擁壁の向こう側は、残土置き場で砂利の山があります。


 強い雨が2日間降り続いた翌朝、擁壁が家側に倒れ掛かるように歪んでいました。近隣の家は、その影響で裏庭にあったウッドデッキが破れ、家にヒビも入ってしまいました。我が家でも、隣の家との仕切りになっているフェンスが大きく歪んでいます。


 擁壁の所有者は砂利業者さんで、家を建てる際、砂利屋さんが新しく建てられました。元々は、壁を作る際に水抜き孔(あな)を作っていたのですが、我が家を建てた建築会社が勝手に壁の孔をふさいだそうで、水抜き穴が無かった事で水がたまり、壁が倒れてきた原因だと砂利業者さんがおっしゃっていました。


 ご近所には避難されているお宅もあり、精神的苦痛も受けています。このような状況でどこへ相談するべきなのか困っています。


ANSWER

必要な対策と問い合わせ先

(住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道)

 地盤が擁壁の荷重に耐えられないと想定される場合の対策として、擁壁の下に支持杭を打設します。擁壁が堅固な自然地盤に設置されていないのであれば、支持杭で支持されているかどうかを確認する必要があります。


 したがって、まず着手すべきことは、砂利業者に上記の設計資料を開示してもらうよう要求することです。擁壁の高さが2メートルを超える場合、擁壁を計画する際に、役所の建築指導課(または開発課、土木事務所など)に「工作物確認申請」を提出し、適正な設計であるかが審査され、完成後は竣工検査ののちに「検査済証」が発行されているはずです。資料が紛失されている場合は、役所に保管されている場合もあるので、役所に問い合わせてください。


 また、擁壁背面に、擁壁の最上部よりも高く残土が積まれている場合には、本来、擁壁が地盤に与える荷重よりも大きな負荷がかかっていることになるので、擁壁と同じ高さまで、残土を除去してもらうことも重要です。


 さらに、水抜き孔を再度くりぬくことは緊急の要件です。水抜き孔がない擁壁は、背後の高台から浸透してくる雨水をダムのようにせき止め、水圧によって擁壁が押される原因になります。ふさがれた痕跡を探し、コンクリートの「コアカッター」でくりぬきます。水抜き孔は3平方メートルごとに1カ所の割合で配置する必要があります。その費用は、孔をふさいだ建築業者が負担すべきでしょう。


 相談窓口としては、地元の役所のほか、建築紛争処理支援センター、国民生活センターなどが考えられます。


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[ 2014/6/19 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道

地盤は、土地の購入、住宅の建築に際し看過されがちな分野ですが、思いがけないリスク(軟弱地盤・洪水・湿気・地すべり・地震・汚染など)が潜んでいます。これまでのコンサルタント経験を生かし、分かりやすくエンドユーザーの皆様に解説します。住宅地盤品質協会会員。


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