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住宅ねっと相談室 あらかると

土地の購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

古い擁壁上の土地に家を建てる際のリスクは?

(静岡県 40歳代 会社員 男性)

 自宅の建築のため土地の購入を致しました。4メートル以上の擁壁の上にある敷地ですので、ある程度のリスクは覚悟のうえです。そこで何点か相談をさせて下さい。


 その擁壁は、もともと山を切り出した土地で、周囲二辺を擁壁に囲まれており、その上の土地になっています。擁壁は古く、昭和40年以前に作られた無筋で、しかも建築確認はされてないそうです。この場合、どのような対策が必要でしょうか?


 また、一辺の擁壁の下に新築の分譲住宅が最近、建てられたそうです。その分譲地は、山を切り出して宅地にしたため、自分の土地のギリギリまで切りだされています。ところが、擁壁が作られておらず、コンクリートで土留めしてあるだけです。


 もし擁壁を作るとした場合、隣地の所有者に費用を請求できるのでしょうか? 後から作られ、自分の土地では無い部分に費用を出すのは変だと思っています。


ANSWER

そのままでは建築確認がおりません

(住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道)

 高さ4メートルの擁壁であるにもかかわらず、「無筋」というのは構造的に危険ではないかと考えます。工作物確認申請がなされていない高さ2メートル以上の擁壁については、その擁壁を温存したままでは建築確認を受け付けてくれません。一般に「崖地条例」が適用され、「安息角30度ライン」よりも深い深度に基礎を根入れするか、杭基礎とするよう行政指導されます。仮に擁壁が崩壊し、宅地の土が流出した場合でも、建物が倒壊しないよう、自然に形成された堅固な地盤までの深基礎とするか杭基礎で建物を支持させることになります。


 ただし、高さ4メートルの擁壁の背後に深基礎を計画するのは、物理的に対応できないことが多いと考えられ、杭基礎で支持させることになると考えられます。


 4メートルの擁壁の外側(隣地側)の「ギリギリ」にコンクリート土留めがあるようですが、不安定な土留めが自分の敷地外にあるのであれば、「自分の土地ではない部分」に何らかの細工をすることはできません。また、隣地の地主に擁壁を新築するよう要求することもできないと思われます。それどころか、隣地に対して地すべりなどが発生しないよう安全策を講じつつ、あくまでも自分の所有地内で自分の土地を安全に維持する方法を考える必要があります。


[ 2013/1/10 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 地盤コンサルタント 高安 正道

地盤は、土地の購入、住宅の建築に際し看過されがちな分野ですが、思いがけないリスク(軟弱地盤・洪水・湿気・地すべり・地震・汚染など)が潜んでいます。これまでのコンサルタント経験を生かし、分かりやすくエンドユーザーの皆様に解説します。住宅地盤品質協会会員。


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