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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

うちのマンションでも配筋切断?

(大阪府 60歳代 会社員 男性)

 マンション管理組合の理事をしています。マンションの1階はテナントが入る住戸になっており、所有する方が喫茶店を営んでおられたのですが高齢のため廃業。ラーメン店に貸すことになり、現在改装中です。


 工事現場を見ていますと、外壁に大きなダクト用の穴をあけていました。


 先日、横浜のマンションで配筋切断が問題になったニュースを見て、そのことを思い出し驚いたのですが、ダクトの穴をあける行為は、配筋の切断の可能性はあるのでしょうか。耐震性への影響を調べる方法はありますか。


ANSWER

配筋切断の影響と調査方法

(住宅ねっと相談室カウンセラー 一級建築士 佐藤 実)

 先日も、あるテレビ局からこの問題の取材を受けたばかりです。マンションの杭打ちデータ偽造に続き配筋切断が発覚し、施工業者への信頼が大きく揺らいでいます。


 今回の横浜市西区のマンションのケースでは、構造躯体に配置する設備配管用の貫通孔を設ける際、通常はあらかじめ筒状のスリーブと呼ばれる構造躯体を貫通する孔を設置し、スリーブ周囲を補強筋にて補強してからコンクリートを打設することろ、躯体を完成させた後で穴をあけて設置していたことが発覚しました。そのことでコンクリートの中の配筋を数十か所切断してしまい、構造計算上の強度を著しく欠いてしまったというものです。


 今回相談をいただいている壁にダクト用の穴をあける行為でも、壁の鉄筋を切断している可能性は十分考えられます。鉄筋を切ってしまうことで、耐震性能や耐久性の低下が考えられますが、設備配管の貫通孔は大きなものではないので、1カ所程度ですと直ちに致命的な欠陥とはならないと思われます。


 そうは言っても、ご心配だと思いますので、耐震性への影響を調べる方法をお知らせします。コンクリートの非破壊検査という調査方法があります。人間で言うレントゲン検査のようなものです。まずは、この方法により鉄筋の切断状況を確認します。


 次に、切断が確認された場合、そのことで構造上問題がないか、構造計算のチェックをします。これら一連の確認作業は、マンションの施工会社に依頼すると良いでしょう。


 ちなみに横浜のマンションの場合、切断箇所が複数あったこと、配筋だけでなく地盤杭が適切でなかったことなど複数の問題から建て替えが決まりました。相談者のマンションの場合、配筋が1カ所切断されただけで建て替えが必要な状態になるわけではありませんので、冷静にご判断ください。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2016/3/10 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 構造設計一級建築士 佐藤 実

木質建物を中心とした構造設計、構造計算の仕事をしています。誠実な業務により、そこに住む人に希望と愛が溢れ、幸運が舞い込むような本物(真実)の構造を提案いたします。


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