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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

マンションの敷地の一部が計画道路に!

(福岡県 40歳代 会社員 男性)

 10年前に購入した分譲マンションの敷地の一部(駐車場部分)が都市計画の道路拡張にかかり、近い将来、市が買い取るという説明を市役所から受けました。都市計画は、1952(昭和27)年のものだそうです。


 敷地を削られることで駐車場が無くなり、容積率の関係で同規模の建物が建て替えられず、既存不適格の建物になってしまいます。購入時に売主から、さらっと「道路拡張計画はあります」と話をしていましたので重要に認識していなかったのですが、重要事項説明書にはしっかり書いていて、業者も「書類に重説を受けたとの確認のサインがあるので納得済みだ」というスタンスです。


 いまさらどうすることもできないと思いますが、納得できないのは都市計画があるとわかっていて、道路拡張がされたら駐車場が無くなり建物も既存不適格になるのにあえて道路計画用地まで含めて建物の設計をするものでしょうか。業者的には広い敷地面積を容積率目いっぱい使ったほうが売り上げが多くなるのでマンション業界では常識なのでしょうか。私の部屋のお隣さんは道路拡張などできませんよと説明されたと言われたといっています。どうもマンション業者のやり方に合点がいかないのですが。


ANSWER

道路拡幅による容積率違反

(住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子)

 実務相談の中でも、よくそのような話を聞きます。昭和20~30年代の計画指定が残っている土地は、意外に少なくありません。それらの計画がすべて実行されてきたわけではなく、計画だけが残っている場合も少なくありません。計画時と今とでは、人口構成をはじめ、社会状況が大きく変わっていますから、行政としての計画の見直しも、一方で必要かもしれません。


 さて、今回のご相談の件ですが、都市計画道路は、購入時に説明しなければならない重要事項にあたります(宅建業法35条)。したがって、説明が無かった場合には、時効にかかっていない限り、説明義務違反ということで損害賠償請求が可能です。しかしながら本件では、重要事項説明書に記載があるとのことですので、それはかないません。将来的な不利益を知って買ったということにならざるを得ません。


 法律的には、既存不適格の物件は違法物件ではなく適法物件の扱いとなります。法律の施行を目前に業者が駆け込みで建物を建てて、法律の施行によってすぐさま既存不適格になるような紛争事例も聞きます。説明義務違反も無いとなると、残念ですが、売主に責任を問うことは、なかなか難しいと思われます。


[ 2012/3/15 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子

建築訴訟を中心に活動していくつもりです。皆さんと一緒に、この相談室を通じて勉強していければと思っています。


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