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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

長期修繕計画案の決定時期について

(東京都 30歳代 会社員 女性)

 分譲マンションの長期修繕計画について教えてください。


 分譲時からすでに5年が経過しているマンションで、長期修繕計画が決まっていないマンションは一般的なのでしょうか? 長期修繕計画は「管理組合の総会で話し合い、決議して決める」ものと理解していますが、当マンションでは、分譲時に管理会社が用意した数パターンの計画案(大規模修繕の時期に一時金を集める案や、一時金を集めずに修繕積立金を将来的に増額する案など)のどれにするかが、分譲から数年経過した現在に至るまで決定されないままです。


 このような状態は、一般的なのでしょうか? 別のマンションに住む知人から「長期修繕計画を巡って住民の意見がまとまらず大変だ」という話を聞き、心配になってきました。専門家のご意見をお願いします。


ANSWER

長期修繕計画の考え方

(住宅ねっと相談室カウンセラー マンション管理コンサルタント 江沼 伸一)

 販売時の長期修繕計画案は、あくまで一般的な想定で組み立てられています。ところが実際30年以上先を見据えた長期計画というのは、不確定要素を多分に含んだものとならざるを得ません。たとえば、社会経済状況の変化による物価の高騰は、大規模修繕工事にかかる工費や材料費の高騰を招いてしまい、当初の計画案は計画倒れになってしまう可能性もあります。


 そればかりでなく、人間と同様にマンションにも個別性が認められます。マンションの立地や環境、施工状態や設計・意匠、使用状況や管理状態によって建物や設備の痛み具合、経年劣化の速度や程度が異なってくるというものです。


 そこで、長期修繕計画というものは、一般的に「おおむね5年に1度程度ごとに見直す」ものとされています(国土交通省の示すガイドラインにも同様の指針がある)。要するに、おおむね5年ごとで長期修繕計画のメンテナンスが必要になってくる、ということです。


 さらに言うなら、分譲当初の修繕積立金の設定額は、売りやすさ、買いやすさの見地(都合)から、少しでも低額に抑えられる傾向が見受けられます。とすれば、そもそも当初の長期修繕計画そのものが、資金不足気味に組まれている可能性があります。


 こうしたことを踏まえると、分譲時から5年目の今こそ、長期的にきちんとした対策を講じるという意味においては、いちばん真剣に検証すべき時期であるといえるものかもしれません。


 もっとも、購入者各自の実感としては、まだ真新しい購入したばかりのマンションで、長期的な視点で「積立金の値上げが必要」だと言っても、理解を得るのは感情的に困難であろうことは想像に難くありませんが、先に延ばせば延ばすほど問題が大きくなりますので、早めに検証をはじめることをお勧めします。


 相談者が問題に気が付かれたことは、マンション住民にとって値千金ですので、自信をもって理事の皆さんに相談されてはいかがでしょうか。


[ 2012/6/14 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー マンション管理コンサルタント 江沼 伸一

マンション管理をはじめとした住宅問題は、さまざまな分野や経緯が複雑に絡む難しさがあります。したがって、よりプラグマティック(実用的)な解決方法をアドバイスできるよう心がけています。マンション管理士、管理業務主任者、一級建築施工管理技士、宅建建物取引主任者、産業カウンセラー、社会保険労務士、行政書士、マンション維持修繕技術者、情報処理技術者、監理技術者、キャリアコンサルタント他。


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