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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

中古マンション購入トラブル。売り主が鍵を紛失、交換費用を請求したい

(大阪府 40歳代 会社員 男性)

 中古マンションを購入することになり、購入代金の支払いと鍵の引き渡しを行う決済の手続きに出向きました。その際、本来2本あるはずのマスターキーのうち1本が紛失しているということで、マスターキー1本と合鍵2本を売り主から受け取りました。


 慣れない手続きに緊張してたせいもあり、決済の場では何も思わなかったのですが、後になって「紛失したほうのマスターキーが誰かに拾われていたら…」と心配になってきました。


 マスターキー紛失の責任は売り主にあると思います。今から売り主に鍵の交換費用の請求できますでしょうか。


ANSWER

責任の所在と考え方

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 考え方として、まずは、契約書の内容が優先します。お互い鍵の扱いについて取り決めたとすれば、それに従ってください。つまり、当事者間で自由に決められる事項であるということです。


 と言っても、契約書に書いてあるケースは少ないと思いますので、次に、契約で取り決めがない場合の考え方を述べます。


 鍵は、生活するための住居用建物に不可欠な設備です。その設備に問題があれば、安心して生活できる住居としての使用目的が達成できないぐらい重要な設備です。したがって、マスターキーの一部が紛失されている場合、売り主の責任で鍵の交換をして買い主に引き渡す責任があると考えます。これが原則的な考え方です。


 紛失の事実があれば、隠れた瑕疵(かし)には当たりませんし、現状有姿引き渡し(=契約時の状況のまま引き渡すこと。中古住宅の売買では一般的な方法)の一環で済ませられるものではないと考えます。したがって、売買契約に仲介業者がついていたとすれば、仲介業者は売り主の鍵の管理状況を調査し、マスターキーが紛失されている場合は、買い主に重要事項説明の一環として報告する義務があると考えます。この報告を怠っていた場合は、仲介業者に交換を請求することも可能と考えます。


 もっとも、買い主にとっては、たとえマスターキーの全部をもらったとしても、スペアーキーを作られていた可能性もあり、その存在を確認するすべはありません。たとえマスターキーを全て引き渡してもらったとしても、安心を求めるためには、その後、自分で鍵を代えることも必要でしょう。


 そこで、マスターキーの一部が紛失されている場合は、鍵の交換費用を売買代金から減額してもらって、買い主が新たに鍵を交換するという折り合いが付けば合理的だと考えます。


 この考え方に沿って、売り主と仲介業者と相談してみてください。


[ 2014/1/16 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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