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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

リノベーションマンションの購入を考えています

(東京都 30歳代 会社員 男性)

 今、話題になっているリノベーション済みマンションの購入を考えています。都内の築年数38年・54戸の分譲マンションの一室です。内装は、デザイン事務所が格好よく改装しており魅力を感じているのですが、耐震性を含め、あとどのくらい建物が持つと考えてよいでしょうか。値段も手ごろですので、あと30年以上住めるのなら、家賃のことを考えると買ってもいいかなと思っています。専門家のアドバイスをお願いします。


ANSWER

室内の仕上がりだけでは分からないこと

(住宅ねっと相談室カウンセラー 一級建築士 荒尾 博)

 中古マンションを購入する際、内装だけでなく、いろいろな角度から検討する必要があります。


(1)基本的に、1981年の新耐震基準以前の建物については耐震性に疑問があります。管理組合で耐震性について調査されているかや、耐震補強の計画があるかなどを調べる必要があります。また、マンションが幹線道路に面している場合、東京都の条例で避難や支援物資の輸送状必要な幹線道路に面した建物については、耐震診断や補強の話が出ていると思いますので、その対応なども聞けたらいいと思います。


(2)最も大切なのは現状把握です。と言ってもリノベーションされた後の部屋の現状ではなく、施工中の隠れた構造躯体や共有スペース(外観・廊下など)から、亀裂などの劣化の状況を見ます。ただし、一般の方では判断できにくいですので、専門家に見てもらうと良いのですが。次に、地盤です。地盤の良し悪しで揺れは大きく変わります。マンション建物自体は調査して杭など対策していると思いますが、付属に施設や周辺の道路や低い建物などの問題があります。ジオダスとか土地条件図、ボーリングデータなどが参考になります。ネットや役所に問い合わせましょう。


(3)長期修繕で給排水管について対応されているかを確認する必要があります。給水関係で高架水槽か加圧ポンプに改修されたかなどによって水道水の量など左右されます。ちなみに、長期修繕計画とその実施状況は確認する必要があります。マンションは、個々の部屋も大切ですが、全体の管理体制なども重要です。定期的に計画に従って補修されているかが長期使用に左右します。


(4)コンクリート本来の耐久性については、50年とか100年とかいろいろ意見はありますが、要はいかにメンテナンスされているかによって変わります。それによっては、本来アルカリ性の状態が中性化していると耐久年数は大きく下がります。


(5)都内の駅などの近くで便利な物件の場合、賃貸で貸されている住戸が多いと管理組合の運営など支障があることがあります。賃貸率など全住戸の使用実態を調べる必要があります。


(6)54戸のうち、ワンルームから3LDKなどいろいろなプランが混在しているとか、1階が店舗の場合など、それぞれの所有者の思惑が異なり、本来のマンション管理が難しい可能性があります。


(7)1階が柱だけのピロティー(壁が少なく柱だけの構造)で駐車場などの場合、耐震性能に支障があり被害を生じる可能性があると言われています。これも専門家に見てもらわないと分かりにくいと思いますが……。


 リノベーションのデザイン性の側面だけでなく、これらの事柄など含めて仲介販売業者が調査してくれるのなら、良いと思うのですが。心配であれば、友人知人などで一級建築士などの専門家がいれば見てもらって意見を求めた方が良いと思います。


[ 2013/6/20 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 住まい創りのプロデューサー 荒尾 博

一級建築士、FP(ファイナンシャルプランナー)、インテリアプランナー、ビル管理士、横浜市木造住宅耐震診断士、神奈川県福祉のまちづくりバリアフリーアドバイザー、民間地震対策研究会主幹会員、地震防災と高齢社会住環境に興味あり。


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