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住宅ねっと相談室 あらかると

マンション購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

書面による議決権行使をした管理組合員の代理人が出席した場合どっちが効力ある?

(東京都 60歳代 無職 男性)

 分譲マンションの理事長をしています。先日、定期総会で、規約の改正議題を提出しました。現在は普通決議事項に全組合員の議決権と頭数の過半数が必要になっていますが、標準管理規約にあわせて、出席議決権の過半数で決議できるように変更するのが目的です。


 ある組合員から、海外出張のため事前に「議決権行使書」が提出され、賛成となっていたところ、総会に当該組合員の妻(区分所有権共有者)が、それより後の日付の入った委任状を持って代理人として出席し、反対されました。この場合、どう取り扱うべきでしょうか。


 今回の決議ではその1票の影響はありませんでしたが、今後どうするか、理事の間でもめています。専門的なご意見をお願いします。


ANSWER

決議時点の意思を優先します

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 まず、事前に本人からの委任状の提出や書面による議決権行使がされている場合、実際の決議時点までに本人または代理人が出席すれば、特別の事情が無い限り、事前の意思表示は無効となると考えるべきでしょう。たとえその内容が異なる場合でも、決議時点で出席した本人または代理人の意思を尊重すべきだからです。


 次に、議決権を行使できる本人は誰かを考えましょう。


 マンション管理組合員として総会などで議決権を行使できる人は、ズバリ、マンションの区分所有権を持っている人です。そして、その区分所有権につき共有者がいる場合、事前に共有者間で議決権行使をする管理組合員を一人決めてもらって届けを出してもらいます。これは、総会ごとではなく、組合員になる段階で出してもらうのが一般的です。勿論、一定の手続きを踏んでの変更は可能です。


 そして、その本人が出席できず、代わりに代理人を出席させて議決権行使をする場合、本人の委任状を持参し、その代理人が規約で定めている内容(たとえば、代理人は同居の家族に限るなど)と抵触しなければ、代理権は有効です。今回の場合、書面による意思表示より後の日付の委任状がありますから、その委任状により、先の意思表示は撤回されたと考えます。


 もっとも、代理人が本人の配偶者の場合、配偶者間で利害が異なるような内容でない限り、現実には委任状が無くても代理人として認める場合もあるかもしれません(この場合は、事後に本人に確認する方が良いでしょう)


 相談内容から、今回の規約変更内容は、マンション管理標準規約に沿った合理性の高い内容のようですから、特別反対者が多い決議内容とも思えませんが、海外出張者を命じられて戸惑いもあるなか、自分が出席できない間にいろんなことが決められては困るというイメージを持たれたのかもしれませんね。それはそれでしかたがありません。決議に入る前に、その変更の重要性を十分に説明することで対処することが大切でしょう。


 今後の管理組合運営の参考になれば幸いです。


[ 2011/11/2 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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