日本経済新聞 関連サイト

住宅サーチ for Premium Life

住宅ねっと相談室 あらかると

マンション購入時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • この記事をmixiチェックに追加
  • この記事をtwitterでつぶやく

QUESTION

直接契約していないリフォーム工事下請け会社からの請求

(大阪府 40歳代 自営業 女性)

 分譲中古マンションを購入し、リフォームを依頼しました。工事は仲介事業者Tさん(個人事業者)を通して株式会社Yが行いました。当方はTさんと220万円で契約し、手付金および中間金を合計180万円支払いました。ところが、工事終了後にTさんは失踪し、現在も行方不明です。


 Yは手付金130万円しか受け取っていないらしく、Yはリフォーム代金400万円の残金分を直接当方に請求してきました。当方はYとは契約をかわしていません。


 また、金額に倍の開きがあります。この場合、Yに残金を支払う義務はあるのでしょうか? 当方はTに対して債権がありますので、Tとの契約における残金は債権と相殺すれば支払い済みになります。以上、アドバイスをよろしくお願いします。


ANSWER

不当利得返還請求の可能性も

(住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子)

 本来であれば、相談者は、元請業者Tのみと契約をしているのですから、Tからの請求に対し支払いをすれば足ります。


 しかしながら、180万円しか支払っていない相談者が工事終了物件の引き渡しを受け、居住しているのも公平とはいえません。


 下請業者Yとしては、注文者である相談者に不当利得返還請求(民法703条)をしてくる可能性があります。


 つまり、相談者が現在居住しているマンションが、「Yの工事により相談者が利得を受け」「Yに損失があり」「利得と損失の間に法律上の原因がない場合」は、相談者に利得分の支払い義務が生じます。


 本件では、リフォーム工事により相談者が得た利得(Tへの支払い済みの180万円より客観的価値が大きかった場合、その分)につき返還義務が生じる可能性があります。


 問題は、何をもって現在のマンションの客観的価値を測るかですが、これは一概にはいえません。訴訟では、この点が争いになると考えられます。


 相談者としては、多少のお金を出して解決するか、Yから訴えられるのを待つかだと思いますが、訴訟外で解決する場合も、合意書を作成しておかないと再度の請求も考えられますので、法律の専門家に相談した方がいいでしょう。行政の法律相談、建築士会の法律相談、弁護士会などの法律相談を活用してはいかがでしょうか。


 なお、ご相談の中で相殺の話が出ていますが、詳細が分からないので、本回答においては触れないでおきます。


 また、通常、元請代金の方が下請代金より高いのが通常であることから、Tとの関係もよくわかりません。事実関係を時系列に書面で整理し、上記法律相談会などでご相談ください。


[ 2011/3/10 掲載]

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • この記事をmixiチェックに追加
  • この記事をtwitterでつぶやく

住宅ねっと相談室カウンセラー 弁護士 柴田 亮子

建築訴訟を中心に活動していくつもりです。皆さんと一緒に、この相談室を通じて勉強していければと思っています。


バックナンバー


※正しく表示されない場合はしばらくお待ちいただくか
こちらのリンクをクリックしてください

 

このサイトについて

日本経済新聞社について