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住宅ねっと相談室 あらかると

賃貸住宅の入居・退去時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

修繕義務と家賃の支払い義務について

(大阪府 30歳代 会社員 男性)

 今年の4月に築15年のアパートに引っ越してきました。エアコン・お風呂付きの物件なのですが、給湯器のお湯の出が悪く、シャワーも使いづらく、お風呂をためるにも30分ぐらいかかります。また、エアコンの効きも悪く、休みの日など昼間家にいることも出来ないぐらいです。調べたところ、両方とも製造年月日がアパートができたころの年号が書いてありましたので、15年以上経っているようです。


 大家さんに何度も修繕または取り替えをお願いしているのですが、4カ月以上経っても対応してくれません。そこで、自分で取り替えて(約28万円)家賃(4万8000円)をその分の約6カ月分支払い拒否することは出来るでしょうか。


 ちなみに契約書には、「設備の修繕は借主が負担する」ことになっています。こんなひどい契約はありですか?


 暑い夏に、満足にエアコンもシャワーも使えない生活にはもううんざりです。出来れば引っ越ししたいですが、そのお金がありません。どうしたらよいでしょう。よろしくお願いします。


ANSWER

まずは点検受診から

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 お困りの様子、よく伝わってきます。まだまだ残暑が残るころ、家に帰ってほっとできないとすれば、何のために家を借りているのか分かりませんね。相談文から考えて、エアコンも給湯器も耐久年数を過ぎていますね。しかも、給湯器などは、燃焼効率が落ちて危険な場合もあります。


 まずは、電気屋さんやガス会社の代理店に連絡して点検をお願いしてください。そして、設備の状態を客観的に判断してもらってください。取り換えをすすめるなどの診断が下れば、それを理由に大家さんに取り換え請求しましょう。点検出張料も請求できますので、領収書も保管するように。


 法律上の解釈ですが、たとえ契約書で、設備の修繕費用は借主負担(修繕特約)となっていても、国交省の「賃貸住宅標準契約書」では、借主の故意・過失以外の修繕義務は生じないとなっています。このガイドラインを重視して、裁判でも修繕特約があっても無効となる可能性は低くありません。また、エアコンなどの付帯設備についても、エアコン付き物件ということで募集していた場合、フィルターやパッキンなどの備品の交換費用は借主が負担するとしても、設備の使用環境が対価である家賃に含まれると考えられます。


 そして、仮に貸主に取り替え義務があるとして、その責任を果たさない場合、借主は代わりに立替えて家賃と相殺できるかということですが、お互いに金銭債権が認められた場合、その相殺は可能です。特に、給湯器などの基本設備については、必要費として直ちに請求できます(民法第608条第1項参照)


 ことは法律にのっとり慎重に運ばなければなりませんから、まずは専門業者の点検を受け、その結果と契約書等を持って、実際に消費者生活センターや法律相談会に行きましょう。そこで、家主への通知の方法なども含め、対応を指導してもらって下さい。他の住戸の状態も聞いてみることもお忘れなく。


[ 2011/9/8 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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