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住宅ねっと相談室 あらかると

賃貸住宅の入居・退去時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

震災による家具の転倒と原状回復

(東京都 40歳代 自営業 女性)

 分譲マンションの1室を賃貸住宅として貸しています。


 今月末で借りていた人が退去されるのですが、昨年の震災で大型家具が転倒したため、壁に穴があいてしまったそうです。


 天災なので借り主の落ち度ともいえない気がしますが、修繕の費用は、全額(壁内部の補習と壁紙張り替え)借り主に請求できるでしょうか? よろしくお願いします。


ANSWER

判断するための考え方

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 とても判断が難しい問題ではあります。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にも、さすがに震災による原状回復の具体例は書いてないですものね。


 考え方としては、


(1) 借主側が家具の転倒防止対策をしていたか
(2) してなかったとしても、そのことが借主の「過失」または「善管注意義務違反」にあたるのか
(3) 貸主が転倒防止対策をしやすい施工をしていたか
(4) 家具の設置方法に問題はなかったのか
(5) マンション自体の性能やお隣りなどの被害状況はどうだったのか


などを勘案して判断することになります。


 一般的に、転倒防止対策に関しては、壁や床を傷つけないためというよりも、人の命を守るための要素が強いとすれば、(4)などの別段の事情が無い限り、やはり、賃借人に負担させるのは酷だと思います。


 さらに、震度の程度や揺れの程度(階数、方向など)にもよりますが、震度5以上であれば、借主の責任を問うのは、難しいような気がします。前記のガイドラインでも、通常の生活行為による損耗などは、原則、家賃の中に含まれるという考え方です。


 判例などがあるわけではありませんので、あくまでも一つの参考意見としてお取りください。


[ 2012/2/23 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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