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住宅ねっと相談室 あらかると

賃貸住宅の入居・退去時や居住中の疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

立ち退きをお願いしている住人が行方不明

(栃木県 60歳代 無職 女性)

 古い貸長屋を取り壊して、ワンルームマンションを建てる計画があり、今住んでいる住人に立ち退きをお願いしました。住人の中の1人が、何度手紙を出しても全く応答がなく、帰って来たところを訪ねても、居留守を使って話し合いに応じてもらえませんでした。この方は母親が元々の契約者でしたが、今は亡くなっています。その後、不動産会社からの更新などにも応じなかったのですが、家賃は振り込んでくるので、やむなく住むことを認めていたような形になっていました。


 ところが10日ほど前から全く家に帰っていない様子なのですが、このような場合、借家を取り壊すことはできますか。できるとしたら行方不明から何日後でしょうか? 廃車同然になっている車も置きっぱなしですし、電話番号も変わってしまって分かりません。職場も不明です。以前家賃を滞納していたこともあります。よろしくお願いします。


ANSWER

家賃が払われているのであれば

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 まず、契約者の母が亡くなっても、相続人である子供には、借家権は承継されます。


 立ち退きの理由が老朽化による建て替えということですが、契約当時から老朽化によりいつごろ建て替えるという書面による説明がされていない場合は、それだけでは立ち退かせることはできません。


 また、一度家賃滞納があっただけでは、賃貸借契約の信頼関係が崩壊したともいえません。さらに、10日間ぐらい行方が分からないとはいえ、家賃がきちんと支払われているようでしたら、それも立ち退き理由にはなりません。


 どのような状態になれば、立ち退きをさせることができるかというと、一般的には契約書に立ち退き条項があるものの、約6カ月ぐらいの家賃滞納や目的外使用、無断改築や無断転貸など、明らかに借り主に問題がある場合に限られます。


 ではどうするかですが、その立ち退き理由が不足している分につき、立ち退き料で補うのです。立ち退き料の金額は、ケースバイケースですが、その方が今の生活と同等の暮らしを継続できる物件に移ってもらう分の保証金、プラス、迷惑料を支払うことが原則です。


 そのような、立ち退き交渉ができないぐらい長期に渡って行方不明の場合は、裁判所の力を借りて交渉の機会を担保する手続きもありますが、利用できるとすれば半年以上行方が分からないとき、という感じでしょうか。


 いずれにしても、10日ぐらいでは、長期の出張もありえますので、事態を見極めるには早すぎます。もう少し様子を見て、法律相談などで相談してみて下さい。


[ 2010/2/12 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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