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住宅ねっと相談室 あらかると

住宅に関係する税金やローンの疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

住宅ローンの名義貸し状態を解消したい

(大阪府 50歳代 会社員 男性)

 20年ほど前、脱サラをして自分で事業をはじめたばかりの弟が家を購入することになったのですが、当時、所得の少ない弟の名義では住宅ローンが組めませんでした。そこで家の2分の1を私の名義にし、私が住宅ローンを借りることにして、実際は親の援助を得ながら弟が私が借りたぶんも返済して現在に至っています。


 いま、私は親から引き継いだ家を建て替えたいので、新たに住宅ローンを組みたいと考えています。しかし、二重ローンとなってしまうため、どうにかして弟の家のローンを清算したいと思っています。一方、弟は安い金利のローンに借り換えたがっていますが、自分の名前で借りているわけではないので困っています。


ちなみに弟の家の住宅ローンは、あと10年ほどです。何か良い方法はないでしょうか。よろしくお願いします。


ANSWER

住宅ローンだけでなく登記名義の問題も

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 相談者の状態は、厳密に言えば違法行為であり、絶対にあってはいけない状態ではありますが、貸す側の金融機関も、何でも良いから売りたいという思いの不動産業者の意向もあり、見て見ぬ振りをしていたといっても過言ではない時代もあったことは否定できないと思います。それほど、少なくはないケースです。


 さて、このケースで、問題点は2つあります。1つは住宅ローンの名義人と実態の問題、もう1つは、登記の名義人と実態の問題です。


 まず、住宅ローンについてですが、弟さんの事業が安定していて、今では弟さんの名前でも住宅ローンを借りられるのなら、借り換えを機にざっくばらんに金融機関に相談してみてはいかがでしょう。幸いに、弟さんも登記名義の2分の1をお持ちですので、可能性はないことはありません。結果に対して、責任は持ちませんが、判断は金融機関が独自規定で行います。まずは、今の金融機関に相談し、駄目でも複数の金融機関に相談してみましょう。その際、相談者の新たな住宅ローンと合わせて相談すると良いでしょう。


 次に、登記名義の件です。こちらの方が、後々大変です。なぜなら、実質的には弟さん固有の資産なのに、相談者の名義分が相談者の財産として、将来、相続財産の対象となります。弟さんの相続人がその家を引き継ぐためには、相談者の権利分につき、相応の価額で買い取ったり贈与を受けなくてはならず、実態と合わない出費を伴い、大変困ることになります。


 これに関しては時に意識をしていただき、住宅ローンの問題と同時に、最終的に100%弟さんの名義に戻すことを検討して下さい。これに関しては、評価額がどれぐらいかわかりませんので、一概には言えませんが、ある時点で一気に相談者の所有権を弟さんに贈与・売買などで移転するか、年間110万円の範囲内で毎年贈与をしていくなどの方法が考えられます。詳しくは、司法書士、税理士、ファイナンシャルプランナーなどに相談してみましょう。


[ 2012/11/8 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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