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住宅ねっと相談室 あらかると

住宅に関係する税金やローンの疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

だれも住まない実家の固定資産税

(愛知県 50歳代 会社員 男性)

 昨年、母が亡くなり、実家が空き家になっています。横浜に住んでいる弟と遺産分割協議をしないといけないのですが、何となく関係が悪くてまだ済ませていません。実家には両親の荷物が残っているうえ、近くにお墓もあるので、売ることも壊すこともできないでいます。


 そんななか、会社の同僚から「空き家にしていたら固定資産税が6倍になる」と聞きました。本当でしょうか?


ANSWER

すべての空き家が対象ではありませんが

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 全国各地で空き家が増加し、社会問題化しているのはご存じだと思います。空き家として長期間放置される要因の一つが、相談者のようなケース、つまり、子供が実家に帰らず、仏壇や親の荷物の整理が進まないという現実です。


 これまで土地の上に建物が建っている場合は、土地を有効に利用しているということから、本来の土地の固定資産税を約6分の1に軽減する特別措置がとられていました。まさに、人口が右肩上がりに増加していた時代のニーズです。


 この優遇措置があるばかりに、誰も使わない建物を残し、それが朽ち果てて周辺住民に迷惑がおよんでいます。そこで2014年11月、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定され、空き家問題の解決策の一端として、固定資産税の優遇措置を適用させない方針を打ち立てました。


 とは言え、空き家だったら全て適用外というものではなく、「特定空き家」と呼ばれる危険家屋に限ります。空き家対策特別措置法では、次のどれかに該当する空き家を「特定空家」と定義しています(第2条2項)。


 一 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
 二 そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
 三 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
 四 その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態


 また、特定空き家に該当するかどうかの具体的な判断基準づくりは、市区町村ごとの各自治体に任せるとしています。


 と言うことで、ご心配の固定資産税の件は、空き家すべてに適用されるわけでもなく、今のところはまだ具体的基準が決まっていないので、ひとまずご安心ください。


 だからと言って今のままの状態を長引かせることは良くありませんね。固定資産税の問題を契機にしていただいてもかまいませんので、弟さんと遺産分割協議を一刻も早くなさり、ご両親や先祖の暮らしてこられた地域で再び実家の不動産が活用されるようになることをお考えいただきたいと思います。


 ご実家の実情と環境が分かりませんが、地元で空き家バンクなどの制度がある場合もありますので、まずは行政に相談してみることも有効だと思います。


> 「住宅ねっと相談室」のサイトで質問してみる


[ 2015/8/20 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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