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住宅ねっと相談室 あらかると

住宅に関係する税金やローンの疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

離婚に伴うマンション所有権の移転と住宅ローンについて

(東京都 30歳代 主婦)

 この度、夫と協議離婚をすることになりました。現在住んでいるマンションは、結婚1年目だった8年前に購入したものです。購入時には私も頭金の一部を出しましたが、マンションの名義は夫単独で、住宅ローンも夫だけの名義で利用しました。ローンの残金はまだ2000万円以上あります。


 離婚に際し、私と子供2人が引き続き同じマンションに住み続けられるよう、マンションを私名義に変更することで話を進めています。しかし、私は当面、働きに出ず育児に専念するので、今後も夫がローンを支払っていくことになります。名義変更手続きなど、どのように進めればよろしいでしょうか。


ANSWER

名義変更は簡単ではありません

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 この相談も、よくあるケースの割に難しい問題です。


 まず、購入時の登記名義ですが、住宅ローンのこともあり、実際には妻や妻の両親などが一部負担したにもかかわらず、夫の単独名義にされる方が少なくありません。しかし、離婚などの場合、清算を複雑化しますので、できる限り、いや必ず実態に合わせて登記(出資額に比例した共有登記)することが大切です。めったに起きないことと、あるいは縁起が悪いことを想定するのはよくないとタカをくくるのは、良くないことだと思います。


 さて、離婚による財産分与として不動産の所有権を他方に与える場合、住宅ローンの抵当権がついていない場合は、簡単に所有権の移転登記をすることができます。婚姻中に取得した不動産の場合、通常の贈与より税制面でも優遇される可能性があります。


 ただし、住宅ローンがついていた場合はそうはいきません。法律上できないということではなく、金融機関と交わした契約書の内容によりますが、多くの場合、所有権を移転するには、借りたお金の残金を一括返済しなければいけないような特約が付いている可能性があります。


 もっとも、もらう方の妻にも収入があり、ローンの組み換えということで、新たな契約をすることも考えられますが、これも簡単なようで手続きは複雑です。


 そこで、実務的には、名義はローンの完済までは夫のままにしておいて、当事者間での決めごとを公正証書にする方法がよくとられます。もっとも、登記上はあくまで夫の持ち物ですので、勝手に所有権を第三者に移転したり、ローンの不払いによる差し押さえを完全に防ぐことはできません。


 具体的には、離婚問題に詳しい弁護士や司法書士に相談しながら離婚協議を進めることをおすすめします。


[ 2012/1/26 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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